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ラズーライト(天藍石)

挿絵(By みてみん)

左から

0.05ct

ブラジル・バイア州産

0.19ct

ブラジル・バイア州産

0.04ct

パキスタン・スカルドゥ産

0.123ct

パキスタン産


Lazulite

ラズーライト、ラズライトなど

和名:天藍石,(テンランセキ)

硬度:5.5~6.0

分類/グループ:燐酸塩鉱物/ラズーライトグループ

晶系/産状:単斜晶系/鋭錐状、柱状、塊状、粒状など

化学組成:MgAl2(PO4)2(OH)2

劈開:1方向に明瞭

比重:3.08~3.38

屈折率:1.604~1.673

副屈折率:0.033~0.138

蛍光(通常認識):なし

長波蛍光:なし

短波蛍光:なし

条痕:白

主な色:青、淡青、濃青、稀に青緑、緑

多色性:強い3色性(無色:青:濃い青)

発見年:1795年?

登録年:1795年

発見地:Freßnitzgraben, Krieglach, Bruck-Mürzzuschlag District, Styria, Austria


非常によく似た色で

英名表記上はたった1文字LとRの違いだけの

lazurite(青金石)も存在するためカナ表記が難しく

LとRの発音の違いがパッと分からない日本人には

難易度が非常に高いが

幸い和名で記載されると天藍石と青金石と

分かりやすいだけまだ救われる。

ただカナ表記では正確に分別は難しく

ラズライト(ラジュライト)を青金石

ラズーライトと伸ばす方を天藍石とする場合が多いが

書き分けがうまくいっておらず

最近はラズーライト(天藍石)など

和名を付けられることが増えた為

混乱は多少収まってきた。

また最初の文字が違う為混同は少ないが

発音だけでは区別が困難になる

アズライト(Azurite)藍銅鉱も存在している。


ややこしいので以降は和名記載していきます。


また青金石の方は

ラピスラズリの主要構成鉱物の一つとなり

こちらはソーダライトグループに属しており

比重2.4と少々軽い為に比重を計れば見分けが付いたり

屈折率が1.50で単屈折であるため

機材があれば判別は容易な点も救い。

機材がない場合はルーペでよく観察し

複屈折がなければ青金

副屈折があれば天藍と言えるのだが

これはある程度慣れが必要でもある。


天藍石はラテン語の青色という意味で

「Lazur」から名付けられており、

非常にややこしい上に綴りから想像は出来ると思いますが

青金石も同じ由来から命名されています。


天藍石の属するラズーライトグループには

barbosalite  (バルボサライト)

Fe2+Fe3+(PO4)2(OH)2。

hentschelite  (ヘンチェライト)

CuFe3+2(PO4)2(OH)2。

lazulite (ラズーライト)天藍石

(Mg,Fe2+)Al2(PO4)2(OH)2。

scorzalite  (スコルザライト)鉄天藍石

Fe2+Al2(PO4)2(OH)2。

wilhelmkleinite  (ヴィルヘルムクライナイト)

ZnFe3+2(AsO4)2(OH)2。

以上5種が属している。


面白いことにこの天藍石は

発見・研究される前から存在そのものは

ながらく認知されてはいた。

ただここでも青金(正確にはラピスラズリ)と

混同されており

同じ石だとみなされていたのですが、

1795年にドイツの科学者

マーティン(Martin Heinrich Klaproth)によって

研究分析をした結果、

新しい鉱物だと判明し、

ようやくしっかりした名称が与えられたのですが

この時にマーティンが調べた物は天藍の方で

青金の命名は1891年まで待たなければいけません。


ルースとしての産地はブラジル産が飛びぬけており

淡い水色から濃い青色まで

一言に「青」といってもこれだけ違うのかと思うほど

多彩な表情があるので人気の1石ですが

残念ながら大きな結晶になりにくく

0.3ctを下回る小さなものが大半。


鉱物としての産地だと

南極、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、

ボリビア、ブルガリア、カナダ、チリ、中国、

チェコ、フィンランド、フランス、ドイツ、

ハンガリー、インド、アイルランド、イタリア、

マダガスカル、モロッコ、ミャンマー、

ナミビア、ノルウェー、パキスタン、

ペルー、ポーランド、ポルトガル、ロシア、

ルワンダ、スロバキア、スペイン、

スウェーデン、スイス、スコットランド、

ウクライナ、アメリカ(各州色々)

各地色々な所から産出はしている。

また日本では茨城県日立鉱山(1937年)、

栃木県那須鉱山(1982年)で

微小ながら発見報告がある。


また同グループの鉄天藍石のほうであれば

滋賀県大津市田上山,(たなかみやま)(1973年)、

岐阜県蛭川田原(1973年)、

茨城県千代田町雪入(1977年)

山口県阿武隈郡日ノ丸奈古鉱山(1997年)

で発見の報告がある。

明日池袋ミネラルショー参戦するため

次回更新は未定です。

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