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サファーリン

挿絵(By みてみん)

1.22ct

スリランカ産


Sapphirine-2M

サファーリン、サファリン、

サフィリン、サフィーリンなど

(カナ表記でサフィリン・サフィーリンは

 命名由来からしても誤表記の可能性大)

和名:適当な物はまだついていない

硬度:7.5

分類/グループ:珪酸塩鉱物(イノ珪酸塩)/サファーリンスーパーグループ

晶系/産状:単斜晶系/

化学組成:Mg4(Mg3Al9)O4[Si3Al9O36]

劈開:1方向に不明瞭

比重:3.4~3.5

屈折率:1.701~1.729

副屈折率:0.004~0.005

分散度:高め

蛍光(通常認識):なし

長波蛍光:なし

短波蛍光:なし

条痕:無色

主な色:淡青色、暗濃青色、青灰色、緑、灰緑色、稀に黄褐色、極稀にピンク色

多色性:3色性、ピンク:水色:暗青色

発見年:1819年

登録年:1890年(初期登録名称saphirin)

改訂年:2009年

発見地: Fiskenæsset old harbour, Qeqertarsuatsiaat area, Nuuk, Sermersooq, Greenland


サファイアとよく似た綴りのこの石は

実際に最初に発見された際にサファイアのようだとして

付けられたもので、

blauer Diamantspath(青いダイヤのような輝き持つ鉱物)

と呼ばれました。

発見時すぐは今の綴りとは違うPの少ないsaphirinと記載され

後に今のPが二つ並ぶものに統合されたのですが

ここにややこしい事情があり、

実はSapphirineというのは本鉱発見よりも400年も前から使われていた名称で

サファイアのように濃い青の石で

マグネシウムとアルミニウムの珪酸塩鉱物全般を指しており

例を挙げるとブルースピネルやブルーカルセドニーなども

全てサファーリン表記で、

これが1900年代に入った後も永らく混同と迷走を続け

かの有名なメトロポリタン博物館ですら

サファリンではないカルセドニー製の印章を

サファリンカルセドニーと記載して展示していた例もあるほどでした。


細分化され詳しく記載されるようになった今でも

非常にややこしい石となっており

多型ポリタイプを形成し

基本的にルースになる物は最初に書いたように

単斜晶系を成す2M型なのですが

非常に似通ったもので三斜晶系を成す

1A型というのもあり

こちらの場合は化学組成も微妙に変化し

(Mg,Al,Fe 2+ ) 8 [(Al,Si,Fe 3+ ) 6 O 18 ]O 2

このように記載されます。

またかなり数は少ないようですが他にも

3A、4M、5A型が発見されていますが

これらはルースにはならないようです。


このサファーリンは2009年に

最初に発見されたサファーリンから取って

サファーリンスーパーグループとして統合され

サブグループとして

サファーリンサブグループ

エニグマタイトサブグループ

ローナイトサブグループに分かれており、

サファーリングループの中には

Addibischoffite (アディビショファイト)

Ca2Al6Al6O20

2017年公表の新鉱物で隕石から発見

Khmaralite (クマラライト)

(Mg,Al,Fe)16[(Al,Si,Be)12O36]O4

1999年南極の隕石中から発見された新鉱物

Louisfuchsite (ルイスフックサイト)

Ca2(Mg4Ti2)(Al4Si2)O20

2022年から研究され2024年に承認されたばかりの隕石から発見された新鉱物

Sapphirine (サファーリン)

Mg4(Mg3Al9)O4[Si3Al9O36]

本鉱

Warkiteウォーカイト

Ca2Sc6Al6O20

2013年に公表された隕石から発見された新鉱物

名称未決定(未承認)

Mg4(Mg1.5Fe+20.3Fe+31.6Al8.5)O4[Si1.7Al10.3O36]

2002年と2008年にルーマニアで発見されたサファーリンのAl優位体

と6鉱物が属していますが

正直読めない石、聞いたことない石ばかりでさっぱり分かりません


ただサファリンサブグループではありませんが

サファーリンスーパーグループのローナイトサブグループには

レアストーン好きさんなら分かる

あのセレンディバイトも入っています。


硬度も7.5あり劈開も不明瞭で

充分に宝石として通用するものではあるのですが

産出地域が非常に限られており

ルースになるようなものは昔はスリランカが唯一と言われており

なおかつ大きな結晶になりにくく

大半が0.5ct以下で

さらには透過はするものの暗い青色の為に

見栄えがそこまでしない上に

インクルージョンも多いので

ジュエリーに使われることもなく

一部のコレクターのみが喜ぶ石という立ち位置でした。

なお現在はスリランカ産だけでなく

ルースとしての産地はマダガスカル産が登場してきており

こちらはスリランカと比べると比較的明るい色をしているものが多い印象


最近はかなり明るい色の物や

激レアカラーのピンク(といっても茶色がかった物が大半)が

認知されたりしてじわじわ人気もあがってはいますが

やはり大きなものは少なくまだまだ一般的に浸透はしきっておらず

レアストーンとしてはまだ手が出しやすいかと思います。


主な産地としては

ルースは先ほど言った通り

スリランカとマダガスカルで

鉱物としてなら他に

アフガニスタン、アルジェリア、南極、

オーストラリア、オーストリア、カナダ、

中国、チェコ、フィンランド、フランス、

ドイツ、ギリシャ、グリーンランド、インド、

イスラエル、イタリア、コートジボワール、

ケニア、リビア、ノルウェー、ロシア、

スロベニア、南アフリカ、スウェーデン、

タジキスタン、タンザニア、タイ、ウガンダ、

スコットランド、アラブ、アメリカ

などで発見されており

日本からの報告はない


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