カラーレスガーネット(パイロープ系)
0.01未満(計測不能)
マダガスカル・ベキリー地区産
Near Colorless garnet
ニアカラーレスガーネット
Color change garnet
カラーチェンジガーネット
和名:ー
硬度:7.0~7.5
分類/グループ:珪酸塩鉱物(ネソ珪酸塩)/ガーネットグループ
晶系:等軸晶系
化学組成:Mg3Al2(SiO4)3-to-Mn(II)3Al2(SiO4)3
蛍光(通常認識):なし
条痕:白
主な色:変色性
世間一般的にはカラーチェンジガーネットと聞くと
マダガスカルのベキリー地区の
青から赤に変わる物を想像しがちですが
長いガーネットの歴史の中で
カラーチェンジするガーネットの発見はかなり最近となり
発見自体は1970年初頭頃から報告されはじめていたが
発色が弱く綺麗なものではなかったため
宝石としての流通はなく、
ごく一部の鉱物コレクターが知るだけの存在。
それが一変するのは1987年のことで
タンザニアのウンバで緑から赤に激変するの物が発見され
非常に話題になりました。
そして有名なコナン・ドイル著の
シャーロックホームズシリーズの中でも
1892年発行の「青いガーネット」という短編小説で
幻の石としても登場するくらいに
青は存在しない色として認識されていたもので、
その定説が覆ったのは1999年頃の事で
マダガスカル・ベキリー地区で
青から赤に激変するカラーチェンジガーネットが発見され
およそ100年未発見だった色で、
カラーチェンジガーネットの最高峰として
ベキリーガーネットと呼称されるくらいに
特別視される物となりました。
さてそんな有名なベキリーガーネットは
多種多様なガーネットグループの中では
パイロープとスペサルティンの中間組成となり
先のグロッシュラーリューコで説明したように
ガーネットグループの中ではグロッシュラーと
パイロープのみにカラーレスが存在し
カラーチェンジガーネットは組成的に
どちらが優勢かでパイロープ/スペサルティンや
スペサルテイン/パイロープと書かれるのですが
ベキリー産の中ではパイロープ優勢が多いらしく
小さなメレのロットの中には
かなり多くの淡い色調の物が混じっており
仕入れ業者間では存在は確認されてきていたものの
世間一般的には青ー赤や緑ー赤にカラーチェンジするものが
評価が高く、必然このような淡い色調や
灰色のようなものははじかれてしまい
流通はほとんどしていない。
そして先のグロッシュラーリューコで説明したように
パイロープのカラーレスは今となっては青いガーネット以上に
幻の存在とまで言えるほど滅多に存在しないもので
ずっと探していたのですが
写真左端のようにほぼ無色と言えるものが
ベキリー産に混じっていると知り
純粋なパイロープリューコとは言えないかもしれないが
とりあえずの確保として入手したものとなります。
ただ写真を見ての通り0.01以下の相当に小さい物であり
右二つに関しては無色というより
ニアカラーレスと言うべきもので
微妙に色を認識できるためにあえて比較用に入手しています。
また純粋なパイロープではない上に
カラーチェンジで有名なベキリー産であるために
微弱なカラーチェンジもありました。




