デュモルチェライト
ルース 0.08ct
キャッツアイ 0.12ct
ブラジル・バイア州産
Dumortierite
デュモルチェライト
和名:デュモルチ石、デュモルチル石、デュモルティール石など
硬度:7.0~8.5
塊状のものは7.0で、単結晶は8.0~8.5
分類/グループ:ネソ珪酸塩/デュモルチェライトスーパーグループ
晶系/産状:斜方晶系/塊状、繊維状集合塊、粒状、稀に柱状
化学組成:Al(Al2O)(Al2O)2(SiO4)3(BO3)
基本組成式で実際には水素の取り込みがありその場合複雑化し
(Al,◻)[Al2(O,OH)](Al2O)2[SiO3(O,OH)]3(BO3)と表記される
劈開:1方向に良好
比重:3.21~3.41
屈折率:1.659~1.723
副屈折率:0.027~0.037
分散度:不明
蛍光(通常認識):なし
長波蛍光:なし
短波蛍光:青まれに紫蛍光
条痕:不明
主な色:青、紫、帯褐青色、帯ピンク青、ピンク、赤
多色性:3色性(赤褐色:褐色:黒)
(濃青:黄~赤:無色~淡青)
発見年:1881年
登録年:1881年
発見地: Ducarre's Quarry, Beaunant, Chaponost, Lyon, Rhône, Auvergne-Rhône-Alpes, France
こちらもレアストーンとして紹介はしていますが
鉱物しての本鉱は各国で産出があり、
レアストーンとしては見なされないものにはなります。
ただこれは塊状の物や
微細なもの、インクルージョンとしての話で
誰しも見たことのある
デュモルチェライトinクオーツでその青さに
眼を惹かれる方は多いとは思います。
柱状を成す単結晶は話が別になり
非常に珍しい物で、
単結晶のルースはそうは見れないものであり
あっても最大でも0.3ct程度と非常に小さい物のみ。
大半は0.1前後と非常に小さな物となります。
スーパーグループとして大分類がありますが
他のグループよりは少な目で
Dumortierite Group
Holtite Group (ホルタイト(ホルト石))
Szklaryite Group (シュクラリアイト(和名不明))
上記3つのグループが属しているのみで
なおかつ
Dumortierite Group 自体も
Dumortierite と
Magnesiodumortierite の
二つのみが属しているだけの
他のグループから見ると
かなり小さなグループとなっています。
マグネシオデュモルチェライトは
組成で言うとMg(Al 2 OH)(Al 2 O) 2 (SiO 4 ) 3 (BO 3 )となり
マグネシウムを主成分とするデュモルチェライトで
発見も1995年と比較的最近の発見で
現状イタリアとノルウェーからしか見つかっておらず、
色も通常デュモルチェライトとは違い
赤~ピンクのみとなっているようです
昔はそうは見れない石ではあったものの
2021年~2022年頃に
単結晶のルースが非常によく出回っていて
今回紹介するか迷いましたが
昨今また目にすることが減ってきたのもあり
単結晶のルースはやはり珍しいのは間違いはないので
紹介させていただきました。
ただデュモルチェライトとだけ検索しても
デュモルチェライトinクオーツが先に検索に引っかかる為に
ネットでは探しにくいのが難点。
石英やタルク(滑石)の一部を
青く染めているものなど標本としてはたくさんあるので
ミネラルショーへ行けば複数個見る事は出来ると思います。
産地としては
原産地のフランスをはじめ、
アメリカ各州やマダガスカル、スリランカが有名ではあるが
ルースとしての産地はマダガスカル産やブラジル産の物が主流。
他にも
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、
ボリビア、ボツワナ、ブルガリア、カナダ、
チリ、チェコ、フィンランド、ドイツ、インド、
イタリア、カザフスタン、モザンビーク、ナミビア、
ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、
ポーランド、ロシア、スロバキア、スイス、
南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、
イギリス、スコットランド、ウクライナ、ジンバブエ
などから産出がある
(ただし大半は塊状のものやインクルージョンの物)
日本でも各地で報告があり
福島、茨城、京都、長崎、奈良、
新潟、山梨などから産出がある。
特に鉱物標本界隈では
新潟県糸魚川市の翡翠拾いのついでに
本鉱があったなど報告もある。
また浪漫ある産地としては南極産というのもあるようだ。
時折更新していきますが
不定期更新とさせていただきます。