イネサイト
ルース0.89ct
ラフ・原石未計量
静岡県下田市蓮台寺河津鉱山産
イネサイト
和名:イネス石
硬度:5.5~6.0
分類:珪酸塩鉱物/イノ珪酸塩
晶系/産状:三斜晶系/微小柱状結晶集合、針状集合塊、放射状集合塊、繊維状集合塊、塊状
化学組成:Ca2(Mn,Fe)7Si10O28(OH)2 · 5H2O
劈開:1方向に完全、1方向に良好
比重:3.03~3.04
屈折率:1.609~1.644
副屈折率:0.035
分散度:不明
蛍光(通常認識):なし
長波蛍光:なし
短波蛍光:なし
条痕:白
主な色:ピンク色、オレンジピンク、茶色がかったオレンジピンクなど
長時間太陽光に晒されると茶色や灰褐色に褪色する。
多色性:弱い3色性
発見年:1887年
登録年:1887年
発見地:Hilfe Gottes Mine, Oberscheld, Dillenburg, Lahn-Dill-Kreis, Giessen Region, Hesse, Germany
1887年にアドルフ(Adolf Schneider)によって
繊維状集合であり肉色の繊維という意味のΊνες (ines)という
ギリシャ語から命名された石で
マンガン鉱床に産出するために
ロードナイト(薔薇輝石)や
ロードクロサイト(菱マンガン鉱)と間違えられることもあるが
独特の繊維状の集合の物はその見た目から
すぐに判別されることになる。
ただ塊状の物は判別が肉眼では難しい。
産出地域がそこまで多いわけではないために
マンガン鉱床は多いわりにあまり出ない為に
あまり知られていない石の一つ。
ほとんどすべてが繊維状集合や
塊状など非常に小さな結晶の集合体な場合が多く、
単結晶のルースというのは見たことがなく
カボションなどに稀に塊状の物がされる程度で
ルースは非常に少ない。
むしろ鉱物標本として人気のある石と言える物で
ファセットのルースは写真の物しか見たことがない。
ただしこのルースは某雑誌の読者プレゼントで
記憶が正しければ最低限あと9個は存在している。
基本的には集合塊なために半透明~不透明なものではあるが
産地によっては微細な結晶とはいえ
非常に透明度の高い物もあり
鉱物標本として隠れた人気のある石。
主な産地としては
オーストラリア、中国(湖北省)、ドイツ、ハンガリー、
インドネシア、イタリア、メキシコ、
ニュージーランド、ノルウェー、ルーマニア、
スロバキア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、
アメリカ(カリフォルニア州、コロラド州、ワシントン州)
などで報告されており
日本でも各地で産出しており
有名なのは写真の静岡県蓮台寺産ではあるが
他にも
秋田(院内鉱山)、北海道(国力鉱山、稲倉石鉱山、轟鉱山)、
岩手(野田玉川鉱山)、高知(香長鉱山)、新潟、
静岡(湯ヶ島鉱山、清越鉱山)などから報告がある。
次回更新は明日9時です