ヌーマイト
次回更新は8月1日予定です
左 11.22ct
モーリタニア・サハラ産
右 10.24ct
グリーンランド・ヌーク産
nuummite
ヌーマイトまたはヌームミット
和名:なし(ヌーマイト自体が正式な鉱物名ではない)
硬度:5.5~6.0
分類/グループ:岩石(変成岩)/アンソフィライト(直閃石)と
ゼードライト(礬土直閃石)の混合物(変成岩)
晶系/産状:構成鉱物2つ共に斜方晶系/岩石
化学組成:直閃石(Mg7Si8O22(OH)2)と
礬土直閃石(Mg5Al2Si6Al2O22(OH)2)の混合物
劈開:1方向に完全
比重:3.18~3.37
屈折率:1.635~1.663
副屈折率:0.022
分散度:不明
蛍光(通常認識):なし
長波蛍光:なし
短波蛍光:なし
条痕:白~灰白色
主な色:濃い灰色、黒茶色に青~金~赤系統の虹彩がある。
多色性:なし
発見年:1810年
登録年:1982年
発見地:Nuuk, Sermersooq, Greenland
グリーランドのヌークで発見され
発見年としては1810年説があるが、
ギーゼケ(Carl Ludwig Giesecke)によって採集されてはいるものの
そのままデンマークのコペンハーゲンにある、
鉱物学博物館に所蔵されていた。
この時にヌーマイトも含まれてはいたが
個別に名称は付けられておらず、
後から入っていたと判明しているため
発見年も登録年と同じ1982年の方が正しくはある。
1982年の方は地質学者のアペル(Peter W. Uitterdijk Appe)が
最初の発見地グリーランドのヌークで見つけ、
発見地にちなんでグリーランド語で
ヌーク産を意味するヌーマイトと命名された。
ただし最初のデータのところで記載したように
単独の鉱物ではない為
IMA上では未承認の名称となっており、
実態としては商用名扱い。
政府はヌーク自治体が所有する会社
ヌークに拠点があるNuummite Nuuk A/Sに、
ヌーク地域でのヌーマイトの探査権と、
ヌーマイトジュエリーの製造および販売の許可を与えており、
日本でも15年ほど前にちらほらと見かけてはいましたが
最近は全く見なくなっている石の一つで
日本国内で探すのは大変になるかもしれません。
ファセットのルースは元が不透明な為に
ほとんど施されず、
大半はカボション、
もしくはバレル研磨された丸玉の状態となるが
バレル研磨の物はクラックが入りやすい為
カボションの方が多い印象。
産地としては
最初の発見地
グリーンランドのヌークと
同じヌーク地方のシミウタット島(Simiuttat Island)での発見。
他にもう一か所フィンランドのカイヌー
(Kainuanmäki, Paltamo, Kainuu, Finland)
から発見の報告と
2009年にモーリタニアからも
発見されグリーンランドの物と比べ
鮮烈な青が綺麗だったために
ヌーマイトの変種としてジェナカイト(jankite )と
命名されたものがある。
2024年現在上記3か所からしか発見されておらず
なおかつ正式な鉱物名でもないことから
幅広く流通しているものでもなく
日本国内だけで探すのは大変な1石となっている。
レアストーン系は情報が全然ないものもあり
ものすごい調べながらする分
キャッツアイ図鑑とはまた違った
熱量が必要で
ちょっと次回更新にはお時間をいただきます