表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/70

鉱物分類(珪酸塩以外)

珪酸塩鉱物以外の鉱物分類

珪酸塩鉱物は一つ前のページをご覧ください。


元素鉱物

単一元素、および貴金属元素間同士での合金で構成される物。

非化合物であるため他の鉱物種とは区別されている。

こちらも細分化されていて

自然金グループ(金、銀、銅、鉛、ニッケル、アルミニウム)

真鍮グループ(チタン、カドミウム、亜鉛)

自然錫グループ(インジウム、錫)

アマルガムグループ(自然水銀)

自然クロムグループ(鉄、クロム、バナジウム、タングステン)

白金グループ(オスミウム、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、プラチナ)


この他金属元素が

それぞれ炭化、珪化、窒化、燐化した物や半金属元素と結合したものがある。

ヒ素グループ(ビスマス、アンチモン、アーセニック(自然砒))

炭素グループ(ダイヤモンド、グラファイト(石墨)、シュンガイト、ロンズデーライト)

 ただしシュンガイトは自然フラーレンに分類される可能性あり

セレングループ(サルファー(自然硫黄)、自然テルル、自然セレン)

非金属元素

非金属炭化物 (モアッサナイト)

非金属窒化物(ニアライト、シノアイト)


発見されてはいるがまだ未承認の物も多くあり

ボロン(自然硼素)、自然フラーレン、自然リン、三方チタン、

自然マンガン、自然コバルト、自然ニオブ、自然モリブデン、

自然沃素(ヨウ素)、自然タンタル、自然レニウムなどは

まだ未承認・未分類となったままである。


硫化鉱物・硫塩鉱物

硫黄、セレン、テルル、ヒ素、アンチモン、ビスマスなどと

金属~半金属が結合している鉱物の総称。

下の方で説明はしているが硫酸塩鉱物とは別枠。

有名な物では

シナバー(辰砂)、スファレライト、パイライト(黄鉄鉱)、

チャルコパイライト(黄銅鉱)、リアルガー(鶏冠石)、

プルースタイト(淡紅銀鉱)、パラージライト(濃紅銀鉱)、

ガレナ(方鉛鉱)、コベライト(銅藍)などがあり

総じて脆い物が多く、宝石になる物は少ないのも一つの特徴。


ハロゲン化鉱物

弗素(フッ素)、塩素、臭素、ヨウ素などハロゲン元素と

結合している鉱物の総称。

代表例は言わずと知れたフローライト(蛍石)だが

他には

ハライト(岩塩)、ビリオマイト、クリーダイト、

アタカマイト(アタカマ石)、アンタークチサイト(南極石)などがある。


酸化鉱物

酸素もしくは水酸基(OH)が陰イオンで

他元素が陽イオンで構成される化合鉱物の総称となり、

さらに単純酸化鉱物、副酸化鉱物、水酸化鉱物の3つに大別される。

またややこしいことにテクト珪酸塩に分類されることもあるが

SiがOと結合しているために

クオーツグループも酸化鉱物とする場合があるが

基本的にはテクト珪酸塩とする場合が大半で

SiO2の結晶形違いも同様 (オパールやクリストバライトなど)。


単純・副酸化物の主な物としては

コランダム(サファイア、ルビー)、スピネル、

クリソベリル、アレキサンドライト、ヘマタイト、

キュプライト、ターフェアイト、マスグラバイト、

ルチル、ジンカイト、キャシテライトなどなど

多種多様な物が含まれており

宝石として流通するものも多数。

水酸化鉱物としては

ダイアスポア、ゲーサイト(針鉄鉱)、ブルーサイト(水滑石)などが有名。


炭酸塩鉱物

炭酸基(CO3)2-を持つものの総称ではあるが

炭酸基も珪酸基も持っている場合は

珪酸が優先され珪酸塩鉱物とされるのが通常。

炭酸塩鉱物は代表例がカルサイト(方解石)なので

察する人も多いが、硬度が低い物が大半で通常は4以下。

なおかつ炭酸塩鉱物は酸に弱い性質もあるため、

ルースの場合はコレクターストーンであり

アクセサリーにされることは稀。

ただ非常に魅力的な物も多く愛好家が沢山いるのも事実。

代表例は

カルサイト、ロードクロサイト、スミソナイト、

アラゴナイト、セルサイト(白鉛鉱)、アズライト、マラカイトなど

挿絵(By みてみん)


硼酸塩鉱物

硼酸基BOを持つものの総称ではあるが

硼酸基には変化が非常に多く、20種以上確認されている。

BO3が基本になるが、

B2O5やB5O6など非常に多く存在。

ただ硼酸塩鉱物自体は産出地が非常に限られており

なおかつ炭酸塩同様に

硼酸基と珪酸基を持つ場合は珪酸塩に分類されるために

さらに数が減り硼酸塩鉱物自体は沢山あるわけではない。

主要な物としては

エレメジェバイト、ペイナイト、ヘンミライト(逸見石)、

ウレックサイト(テレビ石)、シンハライト、

ジョーハチドーライト(上八洞石)、ハンバーガイトなど

挿絵(By みてみん)


硫酸塩鉱物

硫酸基(SO4)2-を持つものの総称。

透明度が高く綺麗な物が多いが

水溶性の性質がある物が多い上に

総じて硬度も低いのが多い為、

宝石としての流通は非常に少ないのが難点。

また先に紹介した硫化鉱物の近くに出来るものが多く、

共生している標本が多いのも一つの特徴と言える。

主な物としては

ジプサム(石膏)、バライト(重晶石)、

リナライト(青鉛鉱)、カルカンサイト(胆礬)、

セレスティン(天青石)などがある。

また日本で発見された新鉱物に硫酸塩鉱物が多くあり

大阪石、尾去沢石、滋賀石、箕面石、

宗像石、中宇利石、三笠石、上国石など

日本の地名が付いたものが沢山ある。


クロム酸塩鉱物

クロム酸塩基CrO4を持つものの総称。

稀にCr2O7の場合もある。

凡そ30種ほどの報告があるだけの小さなグループで

有名な物としては聞きなれたものは

クロコアイト(紅鉛鉱)くらいししかないが

非常に綺麗な色彩と結晶形を持っている物が多く

鉱物標本としては人気がある。


モリブデン酸塩鉱物

モリブデン酸塩基MoO4を持つものの総称。

こちらも凡そ30種ほどしか登録のないグループで

聞きなれた物で言うと

パウエライト、ウルフェナイト(モリブデン鉛鉱・水鉛鉛鉱)

の二つぐらいしかない。


タングステン酸塩鉱物

タングステン酸塩基WO4を持つものの総称で

こちらはさらに少なく17種ほどしか発見されていない。

有名な物としては

シーライト(灰重石)、ヒュブネライト(マンガン重石)

の二つくらい

CrとMoとWが置き換わりやすい性質があるため

クロム酸塩・モリブデン酸塩・タングステン酸塩鉱物と

ひとまとめにされる場合が大半。


燐酸塩鉱物

燐酸塩基PO4を持つものの総称で

鉱物種としては500種以上報告がある

巨大なグループではあるが、

総じて硬度6以下で装飾品に向かない為

コレクターが喜ぶものがほとんど。

ただしルース・鉱物標本共に大人気なフォスフォフィライトなど

稀少で綺麗な物も多く燐酸塩鉱物のみを蒐集する人もいるほど。

硬度的には低いがコレクター用にルースにされる物も多く、

主なルースになりえる物としては

フォスフォフィライト、フォスフォシデライト、ターコイズ

アパタイト、アンブリゴナイト、モンテブラサイト

エオスフォライト、ベリロナイト、トリフィライト

トリプライト、ヘルデライト、ヴェイリネナイト

ブラジリアナイト、ラズライト(天藍石)

ヴィヴィアナイト(藍鉄鉱)、パイロモファイト(緑鉛鉱)

バリサイト(バリッシャー石)、アウゲライト(燐礬土石)

プルンボガマイト(鉛ゴム石)、モナザイト(モナズ石)、ゼノタイム

などがある。

ただしどれも硬度的にも靭性的にも劈開的にも弱い物が多い為

扱いには細心の注意が必要な物であることは忘れてはならない。

挿絵(By みてみん)


砒酸塩鉱物

砒酸塩基AsO4を持つものの総称で

砒素が他の元素と結びついた化合物、

砒化鉱物もここに含める場合がほとんど。

こちらも鉱物としては500種ほど登録のある

巨大なグループではあるものの、

硬度が低い上に大きな結晶になりにくく、

ルースになるようなものはほぼ確認されない。

有名な物としては

独特な赤紫が特徴で非常に人気の高い

エリスライト(コバルト華)や

独特なオレンジ味のある黄色が特徴の

ミメッタイト(ミメット鉱)、

他にはスコロダイトやアダマイトなどが有名。


バナジン酸塩鉱物

バナジン酸塩基VO4を持つものの総称で

上記二つよりは落ち着いて

凡そ100種ほどが登録されている。

こちらで有名な物は

名前にもバナジンを持つ

バナディナイト(バナジン鉛鉱・褐鉛鉱)が飛びぬけて有名で

他は?というと鉱物に詳しい人だと国産新鉱物である

東京石が出てくるくらいでしょうか

またこの燐酸塩・砒酸塩・バナジン酸塩鉱物3種も

P、As、Vがお互いに置換しあって置き換わる事が多々あるために

非常に似通った性質を持っているために

燐酸塩・砒酸塩・バナジン酸塩鉱物とひとまとめにされる場合も多々ある。


有機鉱物

元々は生物由来の成分で

琥珀や真珠、ジェット、珊瑚、象牙、鼈甲などや

若干意味合いが変ってはくるし

入れる入れないは人によるが、

元は生物だった化石からさらに綺麗さの出た

アンモライト、珪化木、オパール化化石などが

有機物由来の「有機宝石」としていた。


昨今はそれとは別に有機化合物(炭素を含むもの)

分かりやすく言うと燃やすと二酸化炭素が排出され炭になる

生物由来の化合物が

「地質的作用によって結晶化したもの」であれば

「鉱物種」とするとされました。

一番分かりやすい例だと

つい最近話題になったばかりの北海道石でしょう。

多環芳香族炭化水素という有機化合物で

組成で表すとC22H12

近しい物としてカルパタイト(カルパチア石)という物が

1955年に現在のウクライナ・ザカルパッチャ州の

トランスカルパチアで発見されていたのだが

こちらは後の研究で

純粋なコロネン(ベンゼン環が環状に6個繋がった平面分子)で

理想組成式そのままのH24H12という式をしていたのだが

この純粋コロネンが地質学作用により結晶になるメカニズムは解明されていない。

これを解明しようとしていて研究・発見されたのが例の北海道石。

ただし勘違いしやすいことで

北海道のオパールは元々蛍光するものとして着目はされており

緑に蛍光する部分が北海道石の可能性があると言われることが多いのですが

実際には詳細な分析をしないと分からない上に

蛍光自体も緑だけというわけではないそうで

さらには顕微鏡サイズな為

目視判断は不可能というのが実情のようです。


他に有機鉱物としては

アーベルソン石、蜜蠟石、フィヒテライト、

ヘールライト、ムールーアイト、クラドノ石など

10に満たない数しか発見されていない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ