ルチル
オーバル0.96ct
スクエア0.09ct
キャッツアイ0.464ct
スリランカ産
Rutile
ルチル
和名:金紅石
硬度:6.0~6.5
分類/グループ:酸化鉱物/ルチルグループ
晶系/産状:正方晶系/柱状、針状、双晶など
化学組成:TiO2
劈開:2方向に明瞭
比重:4.20~4.30
屈折率:2.609~2.903
副屈折率:0.287
分散度:非常に強い
蛍光(通常認識):なし
長波蛍光:なし
短波蛍光:なし
条痕:灰黒色、淡茶色、淡黄色
主な色:赤褐色、黒、濃黄褐色など
多色性:4色性(赤:茶:黄:緑)
発見年:1772年
登録年:1800年
発見地: 長年言われた基準産地は
Horcajuelo de la Sierra, Community of Madrid, Spain
最新研究でチタン元素を発見したルチルの産地である
Revúca, Revúca District, Banská Bystrica Region, Slovakia
にするべきと提唱されているが、
一般的にはスペイン産がタイプロカリテイと言われる。
ルチルの単結晶というより
インクルージョンとしてのルチルの方が知名度が高く、
また合成ルチルであるチタニアも有名であるため
天然単結晶のルースの存在をあまり知らない人も多く、
ダイヤの数倍にもなる分散を持ってはいる物の、
濃い色の為に大きなルースになると
黒にしか見えず、不遇な石の一つと言えるでしょう。
アナテース(鋭錐石)、ブルッカイト(板チタン石)とは
同質異像の関係にあるのは
よく知られたことだが
同じルチルには他にも
Edisonite、Gel-Rutile、Ilmenorutile
鉄・アンチモン含有ルチル、
Nigrine、ニオブ・クロム含有ルチル、ニオブ含有ルチル、
Sagenite 、Strüverite(タンタル・鉄含有ルチル)、
タンタル含有ルチル、バナジウム含有ルチル
と非常にややこしいことに含有元素によって
複数に分類がされている。
また含有元素によって比重が変わってきており
一般的には4.23という比重が言われるのだが
鉄含有では4.2~4.4、
ニオブ含有やタンタル含有では4.2~5.6と
比重に幅がある。
なおルチルグループとしては
パイロルーサイト(pyrolusite)軟マンガン鉱、
アルグタイト(argutite)アルグ石、
キャシテライト(cassiterite)錫石、
パラテルルアイト(paratellurite)パラテルル石
プラットナーアイト(plattnerite)ブラットナー石、
スティショフバイト(stishovite)スティショフ石、
トリプヒアイト(Tripuhyite)トリプヒ石
などがある
分かる物としてはキャシテライトくらいなもので
他は見かけることも少ないものばかり。
上記でも触れた合成ルチルは1948年に生産が開始され
TitaniaやLusteriteなどの商用名で
ダイヤモンドの代用品として沢山生産され人気はあったが、
硬度的にダイヤにまったく届かず、
ファイアが強すぎたのもあって、
合成チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)が
開発されると一気に廃れてしまい、
昨今はなかなか見かけることも減ってきた。




