エオスフォライト
0.38ct
Laghman,Afghanistan産
Eosphorite
エオスフォライト
和名:曙光石、暁石、曙石、エオスフォル石など
硬度:5.0
分類/グループ:リン酸塩鉱物/チルドレナイト亜種
晶系/産状:単斜晶系/短柱状、長柱状、放射状集合体、球状集合体、稀に塊状
化学組成:Mn2+Al(PO4)(OH)2 · H2O
劈開:不明瞭
比重:3.05~3.08
屈折率:1.639~1.672
副屈折率:0.025~0.030
蛍光:長波・短波共になし
条痕:白
主な色:淡褐色、暗褐色、ピンク、黄色、無色、黒など
多色性:3色性(黄:ピンク:淡いピンク~無色)
登録年:1878年
発見地:Fillow Quarry , Branchville, Redding , Fairfield County, Connecticut, USA
1878 年に George J. Brush と Edward S. Dana によって、
最初に発見されたピンク色にちなんで、
ギリシャ語の「夜明けをもたらす」を意味する έωσφορος から命名されており、
その名の通りピンク色がこの石の代名詞とも言われるが
実際には褐色に近い物や帯褐色の物も多いが、
元はピンク色だったものが酸化すると茶色や黒になるようです。
和名の曙光というのは夜明けの太陽の光という意味なので
あけぼの石やあかつき石と呼ばれることも増えています。
よく参照している近山先生の宝飾宝石大辞典には
エオスフォライトの説明はありませんが、
曙光石=エオスフォライトの和名とだけ記載があり
曙光石というのはどちらかというと
古い言い方なのかもしれません。
連続固溶体と考えられている、
チルドレナイト(Childrenite)の
Fe2+Al(PO4)(OH)2 · H2O
鉄がマンガンに置換されたもので、
その為チルドレナイトは鉄の影響で
茶色がかっているが、
エオスフォライトはマンガンの影響でピンクが出ている。
ただチルドレナイトはほぼ端成分の組成で
マンガンをほとんど含んでいない物が多いが、
エオスフォライトは酸化鉄を10%程度含んでいるのが多く、
このことからチルドレナイトがエオスフォライトに
変化するのはあっても逆はないのではないかと推察もあり、
その為に連続固溶体というよりここ最近は亜種という扱いのようです。
元々はそれほどファセットされる石ではなく、
鉱物派の中で一定の人気のあるといった石だったが、
ここ最近はその独特の色の可愛さから
ルースもちらほらと見かける事も出てきている。
主な鉱物としての産地は
最初の発見地アメリカ・コネチカット州を始め、
アフガニスタン、アルゼンチン、オーストラリア、
ブラジル、カナダ、中国、チェコ、フィンランド、
フランス、ドイツ、イタリア、カザフスタン、
モザンビーク、ナミビア、パキスタン、ポルトガル、
ロシア、ルワンダ、スペイン、スウェーデン、ウガンダ、
アメリカ(アリゾナ州、カリフォルニア州、メイン州、
ニューハンプシャー州、ノースカロライナ州、)
などで産出されるほか、
日本からは茨城県、三重県で発見されている。
このうちファセットされる品質の物の大半は
ブラジル産とアフガニスタン産が多いように思われます。