パウエライト
左から
クプロパウエライト
0.07ct
チリ産
カラーレス
0.07ct
チリ産
イエロー
0.10ct
インド産
Powellite
パウエライト
和名:ポウエル石またパウエル鉱や灰水鉛石
硬度:3.5~4.0
分類:モリブデン酸塩鉱物/カルシウムとモリブデン酸塩鉱物
晶系:正方晶系/錐状八面体、薄片状、双錐体など
化学組成:CaMoO4
劈開:3方向に不明瞭
比重:4.23
屈折率:1.974~1.984
副屈折率:0.010
分散度:不明
蛍光:長波・黄白色、短波・黄濁、金色など(地色により変化)
条痕:白
主な色:黄色、茶色、灰色、青、白、黒、緑、透明など
多色性:基本なし(濃い色の物は青・緑の2色性)
ほとんどの辞典にも載っていないレアストーン
シーライト(灰重石)グループに属し
シーライトのタングステンが
モリブデンに置き換わったもので
化学組成CaWO4のWがMoに置き換わった物
化学組成からいくとウルフェナイト(PbMoO4)や
上に書いたシーライト(CaWO4)や
クロコアイト(PbCrO4)、
ヒュブネライト(MnWO4)などの仲間にあたる
ちょうどシーライトとウルフェナイトの中間といったところでしょうか?
このパウエライトは
モリブデナイト(輝水鉛鉱、MoS2)の分解によってできる
二次鉱物として多く見られるのに、
同じ仲間であるはずのシーライトは
ペグマタイトやスカルン鉱床に初生的にできるという違いがある。
パウエライトの名の由来は
アメリカの地質学者J.W.Powellにちなんで命名されてます
このパウエライトの一番の魅力は(地色にもよるが)
金色といっていい蛍光を示すことにあるのですが、
残念ながら長波(LW)ではなく短波(SW)での蛍光色な為、
短波UVライトの入手が容易になってきたとはいえ
まだまだ普及したとはいえず
そうは見れないのが残念な所。
短波での蛍光をお見せすると
黄色地の物はこのような
金色と言っていい蛍光になります。
主なルースになりえる産地は
インド・マハラシュトラ州産と
アメリカ・ミシガン州産が有名ではあるが、
上記写真のようにチリ産も存在。
鉱物結晶としては世界各国で産出し、
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、
ブルガリア、カナダ、中国、チェコ、エクアドル、
エジプト、フィンランド、フランス、ドイツ、
ギリシャ、イラン、イタリア、コートジボワール、
ヨルダン、カザフスタン、メキシコ、モンゴル、
モロッコ、ナミビア、ニカラグア、ニジェール、
ノルウェー、ポーランド、ロシア、セルビア、
ソマリア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス
タンザニア、トルコ、イギリス、スコットランド、アメリカ(各州)など
非常に多くから産出している。
日本からも
北海道・胆振、三重県伊勢市、島根県雲南市で
発見・報告がある。
次回更新は明日10時予定です