クロコアイト
1.05ct
タスマニア産
Crocoite
クロコアイト
和名:紅鉛鉱
化学組成:PbCrO4
分類:クロム酸塩鉱物
硬度:2.5-3.0
晶系/産状:単斜晶系/柱状、針状、塊状、稀に疑八面体
比重:5.90~6.10
条痕:橙黄色
劈開:明瞭
断口:貝殻状-不平坦
主な色:赤、朱色、黄色
蛍光:長波・短波共になし(稀に暗赤色)
光沢:ガラス・金剛光沢
屈折率:2.31-2.66
複屈折:0.370
多色性:弱い2色性(オレンジレッド:濃い赤)
発見年:1766年(初期名称Nova Minera Plumbi)
発見地:ロシア
ツヤツヤな非常に目を引く赤色が特徴のクロコアイト
粉にしたときにその色がオレンジレッドな色をしているため
ギリシャ語の「crocon」から
名前が付けられていて意味はサフラン。
稀に名前の響きからクロコダイル(ワニ)を連想する人がいるが
全くの無関係。
上記でも書いたように名称が現在とは異なっており、
他にも初期の頃は著者によって様々な名称があった。
最初期のNova Minera Plumbiから始まり
Rothes bleierz (Werner、1774 年)
minera plumbi rubra (Wallerius、1778 年)
Plomb rouge (Macquart、1789 年)
これはまだクロム元素が発見されていなかったために
見た目と鉛元素からだけで名付けられたためで、
1798 年にクロム元素が発表された後、
この種には 1801年にあのアウインの名の元となった
アウイ博士によりPlomb chromaté と命名され、
1813年にもハウスマン博士によりKallochrom と
クロム元素由来の名称が使われだした。
その後も改称が続き、
1832 年に François Sulpice Beudant によって Crocise 、
1838 年に Franz von Kobell によって Krokoisite 、
1841 年に現在の発音に近い Johann August Breithaupt によってKrokoit
1844 年に Charles Upham Shepard によって Beresofite
1852 年に Henry J. Brooke と William H. Miller によって Lehmannite
などと各種様々な名称が付けられ続けていた。
クロムはこの鉱物から最初に発見されました。
そしてクロム酸イオンが含まれているそうで、
このイオンは発がん性が認められているため、
取り扱いは要注意です。
紫外線に長く当てていると光沢がなくなることがあるそうで、
保管には注意が必要になる。
細い柱状結晶の集合体な場合が多い本鉱ではあるが
稀に大きな結晶になる場合があり、
この場合コレクター向けにカットされることがある。
ただこのクロコアイトは、
結晶の大小に関わらず、中に空洞がある物が多く、
外観からは分からない物で、
カットを進めていくと初めて分かる物もあり、
カット難易度は高めで、
ルースは滅多に見かけるものではない。
産地としては
カットが出来るものとしては
タスマニア・ジーハン鉱山が唯一と言ってよいが
鉱物標本としては各国からの産出があり
南オーストラリア・オラリー州、オーストリア、
ブラジル、カナダ、チリ、中国、
コンゴ、フランス、ドイツ、イタリア、
ヨルダン、メキシコ、ナミビア、フィリピン、
ルーマニア、ロシア、南アフリカ、
イングランド、スコットランド、アメリカなど
3点セット
全てタスマニア産
ファセットルース同上1.05ct
キャッツアイ1.80ct
原石37.48ct
次回更新は明日10時予定です




