バスタマイト
0.47ct
オーストラリア産
Bustamite
バスタマイト
和名:バスタム石
分類:珪酸塩鉱物(イノ珪酸塩)
硬度:5.5~6.5
晶系/産状:三斜晶系/塊状、繊維状集合塊、針状、柱状(単結晶は極めて稀)
化学組成:CaMn2+(Si2O6)
劈開:非常に強い(単結晶)、3方向に完全
比重:3.32~3.43
屈折率:1.653~1.710
副屈折率:0.015
蛍光:赤蛍光(長波)、稀にオレンジの燐光あり
条痕:白
主な色:淡いピンク、ピンク色、茶色がかった赤、
多色性:2色性(オレンジ色・薄ピンク色)
マンガン鉱床で産出するが、
よく似た鉱物のロードナイトやパイロクスマンガイトなどと
共生して発見されるために、判別が難しい。
ウォラストナイト(珪灰石)Wollastonite
この鉱物の亜種とされ、
ウォラストナイトの組成、Ca3(Si3O9)
このカルシウムの大半が
マンガンに置き換わったもの。
大半が繊維状集合の塊状で産出し、
見た目はロードナイトや、
半透明のロードクロサイトによく似た
半透明から不透明のピンク色の石。
また極めて稀に透明の単結晶も産出はするのだが
単結晶は劈開があまりにも強すぎる為、
ファセットカットが非常に困難で、
なおかつうまく完成したとしても
硬度からは考えられないくらいに衝撃に弱く、
ルースケースの上から衝撃が加わるだけで割れる、
ルースケースにしまう際に
蓋を閉める圧力で割れるなど、
劈開が強すぎる為にファセットカットの
単結晶ルースは皆無に近い存在で
割れやすいと有名なフォスフォフィライトや
ユークレース、カーレトナイトなどよりも
カット難易度が高すぎて
成功例が絶無に等しい。
そんな中写真の物はそれほどの難易度を潜り抜けて
成功した極めて珍しいルースとなっており
これほど「レアストーン」の名称が似合う物もない。
ただしこれは先ほどから繰り返している通り
単結晶の物の話で
劈開の強さが多少抑えられた
繊維状集合の塊状の物は
たまに見かける事が出来る。
(樹脂含浸などで強度を上げている場合が多い)
またパワーストーンブームのころには
特徴的な半透明なピンク色が人気で
ルース屋よりパワーストーン屋の方が
置いていることが多い石でもあった。
もちろん半透明というより
不透明に近い透明度ではあるので
ファセットルースはほぼなくて
カボションやビーズが圧倒的に多いのが実情。
大半の見た目が半透明~不透明の
ガラス光沢のあるものなので
海外では商用名として
ピンクシリカやピンクジェムシリカ、
オレンジ色が強い物はオレンジシリカなどと
呼ばれることもあります。
通常見かけるタイプ
大体はこのような不透明~半透明なものになります。
透明感もあるファセットがされるような質の物は
オーストラリアのブロークンヒル産と
南アフリカのケープ地区のヌクワニング鉱山産しか
報告はない。
鉱物標本としては
マンガン鉱床に産出するために
もっと多くなり、
アルジェリア、アルゼンチン、オーストラリア
オーストリア、ブルガリア、カナダ、中国、
クロアチア、フランス、ドイツ、ホンジュラス、
イラン、イタリア、メキシコ、モンゴル、
ナミビア、ニュージーランド、北マケドニア、
ノルウェー、ペルー、ルーマニア、ロシア、
サウジアラビア、セルビア、スロバキア、
スペイン、スウェーデン、タジキスタン、
イギリス、アメリカなど各地で産出するほか、
日本でも各地から報告があり
福井、岩手、宮崎、埼玉、滋賀、静岡、
茨木、富山、山形、山梨など
各地から出ている。
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次回更新は明日10時予定です