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ユージアライト

挿絵(By みてみん)

0.06ct

カナダ・ケベック州・シーフィルドレイク産

(ソーティングあり)


EUDIALYTE

ユージアライト(またはユーディアライト)

和名:ユーディアル石(中国語由来の異性石、強性石と書かれる場合もある)

硬度:5.0~5.5

分類:珪酸塩鉱物(サイクロ珪酸塩)

晶系:六方晶系(三方晶系)/板状、菱面体結晶

化学組成:Na15Ca6(Fe、Mn)3Zr3(Si,Nb)(Si25O33,OH,O2m,H2O)3(Cl,OH)2

劈開:明瞭

比重:2.74~2.98

屈折率:1.591~1.633

副屈折率:0.03~0.04

分散度:不明

蛍光:不明

条痕:白~淡いピンク

主な色:ピンク~赤から褐色、黄色、紫、緑

多色性:基本ないが、薄片にすると透明になる


特記すべきはその組成

なんと11種の主成分(元素)を持ち、

しかもそのうちの一つにNbニオブを含み、

このニオブを含むカットを施される宝石は、

多種多様で千種以上ある宝石の中でも非常に少なく

レアストーンがカットされることが少なかった

ほんの10~20年前までは唯一と言われていた石。


大半のユーディアライトはほかの鉱物(アルバイトやアパタイト等)と

共生した形で不透明のまだらな模様の鉱物ですが、

極稀にレッドスピネルやルビーと見間違うほどの

ピンクがかった赤い透明なものが得られることがあります。

特にこのピンクユージアライトともなると

レアストーンコレクターが血眼になって探し求める1石となってきます。

大半のファセットルースは褐色の茶色系の地味な見た目なために

人気の石!というわけではないのが実情。


名の由来となったのは

(eu=容易に、dialuein=溶けるという意味のギリシャ語を合わせて作られた)

酸(塩酸など)に非常に弱く簡単に溶けてしまい、

なおかつ硬度も5.5と硬いと言えるものではなく、

劈開も明瞭で、なかなかジェムクラスの透明で

綺麗なカットルースにはお目にかかれないレアストーンの一つでしょう


ただ非常にややこしいことに

通常記載される組成だけでも多岐にわたるのですが、

実はユージアライトグループとして

近縁種が沢山存在し、

成分分析が行われていない場合は

ユージアライトグループと記載された方がいい場合が多い。


その組成式は

[N(1)N(2)N(3)N(4)N(5)]3[M(1.1)M(1.2)]3[M(2.1)M(2.2)M(2.3)]3-6[M(3)M(4)]Z3[Si24O72]Θ4X(1)X(2)

上記のように非常にややこしく

Nの1から5に

Na, H3O+, K, Sr, REE(希土類元素総称), Ba, Mn, Ca

が入り、

M1から4には

M(1) = Ca, Mn, REE, Na, Sr, or Fe;

M(2) = Fe, Mn, Na, Zr, Ta, Ti, K, Ba, or H3O+;

M(3) : M(4) = Si, S, Nb,Ti, W, or Na;

ZにはZr, Ti, or Nb;

Θ にはO, OH, or H2O;

X1と2にはCl, F, H2O, OH, CO3, SO4, AlO4, or MnO4.

と凄まじくややこしい組成式にそれぞれ

各種名称があり非常に複雑。

それぞれの化学組成まで載せると

とんでもないことになるので名称だけにとどめますが

Alluaivite、Amableite-(Ce)、 Andrianovite、Aqualite

Carbokentbrooksite、Davinciite、Dualite、

Eudialyte(本鉱ユージアライト)

Feklichevite、Fengchengite、Ferrokentbrooksite

Georgbarsanovite、Golyshevite 、Hydrorastsvetaevite

Ikranite、Ilyukhinite、Johnsenite-(Ce)、Kentbrooksite

Khomyakovite、Labyrinthite、Manganoeudialyte

Manganokhomyakovite 、Mogovidite

Odikhinchaite、Oneillite、Raslakite

Rastsvetaevite、Selsurtite、Sergevanite

Siudaite、Taseqite、Voronkovite、Zirsilite-(Ce)

非常に多岐にわたっているうえに

まだ名称未決定な新鉱物も20種以上報告があるという

とんでもない数があるグループになっています。


上記の報告の大半は微小結晶など

鉱物標本としての話になってくるので

ファセットされた物はユージアライトしか見たことがないのが実情ではあります。

ただそれでも産地からの推察が多いのもたしかで

成分分析を行うと違う石だったということがあるのは

頭の片隅にいれておいたほうがいい石の一つです。

ブックマーク登録や、

☆を★にしていただいたり

いいねをしていただけると

執筆の励みになりますので

是非もうひと手間ぽちっとしていただけると

作者が喜びます。


次回更新日は明日10時予定です。

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