ニフォントバイト
ルース0.17ct
ラフ未計測
岡山県川上郡高梁市備中町布賀・布賀鉱山産
長波照射時蛍光の様子
Nifontovite
ニフォントバイト
和名:ニフォントフ石
モース硬度:3.5
分類:シクロ硼酸塩鉱物/カルシウムを含む硼酸塩
晶系/産状:単斜晶系/塊状、柱状
化学組成:Ca3B6O6(OH)12・2H2O
劈開:不明瞭
比重:2.35
屈折率:1.57~1.58
副屈折率:0.011
蛍光:長波で紫
条痕:白
主な色:無色透明、灰色
多色性:なし
おもな産地:ロシア・ウラル地方、メキシコ・ポトシ、
それと日本の岡山県布賀鉱山の3産地しか存在しない。
このうち布賀鉱山は2014年現在閉山、
つい最近になって調査目的の入山も禁止となり、
新規採掘が絶望的になっている。
布賀鉱山と言えば代名詞とも言える逸見石と共に
ペンタハイドロボライト、ニフォントバイトと
稀少なレアストーンが多数発見されたが
そうそうお目にかかれなくなってきた石のひとつ
そもそも硼酸塩鉱物が全体的に少なく大規模な鉱床がない
というのも原因でしょうか
例外的に硼砂、ウレックサイト、コレマナイト(コールマン石)など
数種が大規模な鉱床があるそうで、
一般的によく聞く硼酸塩鉱物 と言うとハウライトくらいではないでしょうか
コレクターとなれば他には
ジョウハチドーライト、エレメジェバイト、インヨアイト、ハンバーガイト(ハンベルグ石)、
ローディザイト、シンハライト、ヘンミライト(逸見石)と言ったところが有名ですかね
話を戻してニフォントバイト
カット石ともなるとさらにレアになりおそらくこちらもカットに成功しているのは
非常に少なく、購入当初成功しているのは1社のみであったが
つい最近調査目的でも入れなくなったというニュースが広がった後に
注目度が上がったためにか
同ルースを見かけたことがあった。
発見は1961年にロシア・ウラル地方で、
ロシアの地質学者Roman V. Nifontov氏の名前にちなみ名付けられた
通常塊状で産出し結晶は珍しく
特に最初の発見地ロシア産はほとんどが塊状なためカットには不向き
その後メキシコ・ポトシで非常に綺麗な結晶が発見され一時期話題になってました
日本の布賀鉱山産のものはメキシコ産よりは少し劣るものの綺麗な結晶です
ですがカットルースにとなると、
柱状結晶で最大の物は5cmほどになりますが
ほとんどのものは非常に小さくカットに耐えれるものが少ない。
また非常に残念なことに
購入後およそ10年で上記のように
白濁してきており
カット後そのままのキレイな状態を保つのは
難しい物になります。
ただいきなり変わるものではなく
購入後数年は全く気付かず、変わらないように感じていました。
このような水酸基を含む石の宿命ではあるものの、
原石そのままだと変わりにくい物はありますが
ファセットする際にどうしても研磨の水を取り込んだりすることが
要因なのかファセットが長持ちするものは少なくなります。
ブックマーク登録や、
☆を★にしていただいたり
いいねをしていただけると
執筆の励みになりますので
是非もうひと手間ぽちっとしていただけると
作者が喜びます。
次回更新日は明日10時予定です。