4話
何とか続いてるけど力尽きそう
森で彼女を見つけたときにはとても驚いた。髪の色こそ違うが顔立ちが亡くなった妹にそっくりだった。何の因果か俺は彼女を救うことにした。
彼女が目を覚ましたとき最初こそ警戒していたがすぐにスープを飲んでくれた。何日も何も食べてなかったのだろう。目を開けた彼女はますます妹に似ている。不思議な縁もあったものだ。
目覚めた彼女はアリスと名乗った。なんとなく予想はしていたがやはりマナ欠乏症になり両親に捨てられたとのことだった。マナ欠乏症は伝染なんてしないのに世間の声は未だ伝染するとの声の方が多い。
俺はこの誤解を解くため、そして彼女を治療するために治療法探しの旅に出ることにした。
俺はアリスを守りながら旅ができるだろうか、今のアリスは魔法を使うことができない。一時の不安に駆り立てられるがそんな迷いをすぐ振り払う。いいややってやる必ず治して見せる、そう胸に誓った。
まずは聞き込みだ、と言ってもこの小さな町で聞き込みをしても特に情報など集まらないだろが。 まだアリスに頼んだ本の閲覧の方が有意義な気がする。と言ってても仕方ない、まずはギルドに顔を出しに行くことにした。
前のでかい依頼の報酬がかなり残っていたからギルドに顔を出すのは久しぶりだ。そして古びた木のドアが目の前に現れる。この町唯一のギルド夕暮れ亭にたどり着き、ぎいぎいと音を立てて扉を開いた。
「いらっしゃいまーってあ、リードさん!お久しぶりです!」
元気な明るい声が扉を開けるとともに響く。看板娘、受付のラドリーの声だ。
「やあ、久しぶりラドリー元気だったか?」
「はい!元気もりもりですよー!リードさんこそ最近はどうですか?全然顔出さないじゃないですかー!」
「いつだかの依頼の報酬がまだ余ってるからな」
「あーあのドラゴン退治ですねー!あの時は素材すごい量でしたねー私も解体手伝ったんですから!」
「ああ、あの時はありがとなお陰で楽に片付いたよ」
ラドリーとの会話を楽しんでいると2階から野太い声が響いた。
「おーうリードぉ久々じゃあねえか」
ギルドマスターのグランの声だった。
「お久しぶりですマスター。お元気そうで何よりです」
「おう、おめえもなリード。今日は依頼か?」
「いや、今日はですね・・・・・・」
俺はマナ欠乏症の少女を拾ったこと、そして治療の為に旅に出ることをマスターに話すことにした。
続けろ