3話
文章書くのってむずかしいね
旅に出る。未だ見つからないマナ欠乏症の治療法を探しに。とリードさんは続けて言った。
「それでアリス、君はどうする?付いてくるかい?それとも家に残るか・・・・・・」
付いていきます!私はすぐさま答える。もう殆ど魔法の使えない私が付いて行っても足手まといになるだけかもしれないが家で一人は寂しい。それに症状のせいでどこかのお店にお仕事に就くのも難しい。
答えは1つだった。
「分かった、まあしばらくは家を拠点に回るから苦はないだろう、アリスの体調が良くなったらあの医療大国ビフレストに行こうと思う」
ビフレストは私も知っている有名な国だ。感染症の予防や魔力暴走の治療を最初に行った国だ。
マナ欠乏症の治療の研究も発見はされていないがかなりすすんでるらしい。猶予は長くて5年、それまでに治療法が発見されれば私も・・・・・・
「それでいいかい?アリス」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
食事を済ませた私たちはこれからの予定を話し合うことにした。
「さっきも言った通り暫くは情報収集だ。俺は出かけてくる、アリスはそうだな、マナ欠乏症についての本がそこにあるから読んでいてくれ」
と初め目を覚ました時に見た本棚を指さすリードさん。
「分かりました!お手伝いできることがあれば何でも言ってください!お掃除くらいなら出来ますから」
1日の食事と睡眠で体力はすこぶるよくなった気がした。薬草のスープがかなり効いたみたい!
「あー、あまり無理はするなよ、じゃ行ってくる」
「はい、いってらっしゃいリードさん!」
リードさんが出て行ったあと私はすぐに本に目を通した。
ーマナ欠乏症についてー リード
ふと目についた手に取った本はリードさんの手書きのようだった。内容は資料、というより日記だった。
3月14日 セレナがマナ欠乏症に掛かってしまった。あんなに魔法が得意だった妹が魔法の行使が出来ないと分かった時の顔は目に焼き付くほどショックを受けた顔をしていた。俺はすぐに治療法を探しに行った。研究者でも医者でもない俺が治し方を見つけるのは不可能に近いと思うがなにもしないよりましだ。セレナ待ってろよ、すぐ兄ちゃんが治してやるからな。
私はそこで日記を閉じた。結果が分かってしまっているから、妹さんの死という形で。
続け