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【3-2】大富豪からの招待状

【2-1:最初の選択】の最後で、【3-2:大富豪からの招待状】が正しいと思った方はこちらです!

【大富豪からの招待状】


大富豪は九名の友人に招待状を送った。


その中には長年彼に仕えているメイドや、彼の顧問弁護士などもいた。


そして招待状を受け取った九名全員が、

彼のパーティーに参加するために本土から小型船に乗りこの孤島へとやってきた。


大富豪は別荘だけでなく、この孤島全体を所有している。

そのため、彼の許可無しにこの孤島に上陸することは許されない。


よってこの孤島には、大富豪を含めた十名以外には誰もいないという事になる。

 

このパーティーは、六十歳になった大富豪をお祝いするために、彼自身が開いたパーティーであった。


パーティーの最中、私は招待客たちにこれまで解決してきた数多の難事件の話をした。


勘違いしないでもらいたいのだが、私が自分で自慢げに話し始めたわけではない。

招待客達がどうしても聞きたいというから、渋々話したまでだ。


招待客達が楽しそうに私の話を聞いている様子を見て、大富豪もとても満足そうにしていた。




少しだけ酔いが回ってきた私は、風にあたるために別荘の外に出ることにした。


するとそのすぐ後に、何者かが私の後を追うように別荘から出てきた。


「君も忙しいだろうに、わざわざこんな所まで来てもらって悪かったね。

でも、君は私の一番の友だ。

だから、君が来てくれて本当に嬉しいよ」


大富豪は風にあたっている私の隣まで来て言った。


「こちらこそ、ご招待いただき本当にありがとうございます。

それにしても、さすがは大富豪さんだ。

これほど素晴らしいパーティーに参加したのは初めてですよ。

他の皆さんもとても楽しそうだ」


決してお世辞などではなく、本当に素晴らしいパーティーだと私は思っていた。


「君が楽しんでくれているのなら、パーティーを開いた甲斐があったよ」


「皆さん、大富豪さんの事をとても慕っているのですね。彼らの表情や態度を見ればわかりますよ」


私がそう言うと、なぜだか大富豪は少し寂しそうな顔をした。


「今回私が招待した者は皆、君の言う通り私にとても親切にしてくれるよ。

それは彼らが良い人間であるからに違いない。

けれども、どうしても彼らのことを心から信用できないんだ。

それは僕が大富豪だからだろう。

金は人生を豊かにするが、それは時として暴力の原因にもなりうるんだ。

数多の事件を解決してきた君ならわかるだろう?

僕は怖いんだよ。

僕が保有する多くの資産や財産のせいで、たった一つの僕の命が脅かされる日が来るのがね」


大富豪の気持ちは痛いほどわかった。


私は彼のように莫大な資産や財産を所有しているわけではないが、

数多の事件を解決してきた私ならわかる。


事件が起こる主な要因には、金か愛のどちらかが必ず絡んでいると言ってもいい。


数多の事件を解決してきた私は、愛や金の本当の恐ろしさを知っていた。


すると大富豪は笑みを浮かべながら、


「冗談だよ。今言ったことは忘れてくれ。私の周りにいる人間は、良い人達ばかりだよ」

と言い、別荘の中へと戻っていった。


ほどなくしてパーティーもお開きとなり、

招待客達が自室で自分の時間をゆっくりと過ごしていたその時、別荘中に悲鳴が響き渡った。




あなたは私がそれとなく口にしたヒントに気付くことが出来たのだろう。


だからこそ、あなたはこの通り正しい選択肢を選ぶことが出来たのだ。


『迷い、疑い、それでも最後は自分の直観を信じるしかないのだ』


あの時、私はあなたにそう言った。


自分の直観を信じたからこそ、私はこの別荘へ来たのだ。


招待状を受け取った時、名探偵としての私の身に何かが起こると、私の直観がそう言った。


最後に自分の直観を信じたあなたは、こうして正しい選択肢を選ぶことができた。


あなたのおかげで、私は無事にこの別荘に来ることができた。


だが、安心するのはまだ早い。

 

あなたが名探偵としての本領を発揮するのはこれからだ。

 

ここまで辿り着いたあなたに、大切なことを教えてあげよう。

 

名探偵にとって大切なことが二つある。

 

冷静な推理力と、大胆な行動力だ。

 

あらゆる場面において、この二つはとても重要になるだろう。




あなたには、これから起こる事件の渦中に身を投じてもらう。


もう、後戻りはできない。




さぁ、【4-1:招待客】へと進もう。


お見事!

ですが、私とあなたの推理バトルはまだ始まったばかりです。


この先はもっともっと頭を使っていただきます!

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