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【12-1】記者のアリバイ

【記者のアリバイ】


「それでは、パーティーが終わってから大富豪さんの遺体が見つかるまでの約一時間、

何処で何をしていたか教えていただけますか?」


記者のアリバイを確認するため、私と医者は彼の部屋を訪れた。


「ずっと部屋にいました。そしたら、突然悲鳴が聞こえたんです。それで慌てて一階へ行きました」


「その時に、例のメスを拾ったんですね?」


「ドアの前に落ちていたので、思わず拾ってしまいました」


私は横で話を聞いていた医者にも念のために確認した。


「そのメスは、あなたが誤って落としたもので間違いないですね?

悲鳴を聞いたあなたは慌てて部屋から出たが、その時にメスを落としてしまった。

しかもその時に自分の手も切ってしまった。それで間違いなかったですね?」


私にそう尋ねられた医者は、

「間違いないです。あれは私が落としたメスで、メスに付着していた血は私の血です」

と答えた。


「わかりました。

ちなみに、大富豪さんの遺体が見つかるまでの間、

あなたがずっとこの部屋にいたことを証明することは出来ますか?」


「証明ですか?僕はずっと一人でこの部屋にいたので・・・」


「無理に証明する必要は無いですよ。

もし何か証明できるものがあれば、それを確認するに越したことは無いと思っただけですから。

それでは、私達は一度この部屋から出ることにします。

私達が部屋を出たら、必ず鍵を閉めてください。

そして私が良いと言うまでは、決して部屋から出ないようにお願いします」




「・・・次は、僕の番ですよね?」


記者の部屋の扉を閉めた医者が、私にそう尋ねた。


「そうなりますね。

でも、パーティーが終わってから大富豪さんの遺体が見つかるまでの約一時間、

あなたが何をしていたのか大体の事はわかっています。

だから、確認だけさせてください。

パーティーが終わって部屋に戻ったあなたは、お酒をたらふく飲んでいた大富豪さんが心配だった。

そこで、薬などの必要な道具を整理していると、メイドさんの悲鳴が聞こえた。

つまり、あなたも他の方たちと同様、ずっと部屋にいたという事で間違いないですね?」


「はい。間違いないです」


「そうですか。それでは時間も無いことですし、あなたへの聴取はこれで終わりにしましょう。

それより、私の仕掛けたトラップがどうなったか確認しなくては」




メイドの聴取が終わった私は、


「赤ワインを入れたワイングラスを持ってきて欲しい」


トラップを用意するために医者にそうお願いしていた。


ワイングラスを持ってくるように頼んだのは名探偵である私自身なのだから、

当然そのワイングラスをどのように使うかはあなたも分かっているはずだ。


使い方が分かっているのなら、ワイングラスが『何脚』必要になるかも当然分かっているだろう。




必要な数が一脚であれば、

【13-1:一脚のワイングラス】へ。




必要な数が七脚であれば、

【13-2:七脚のワイングラス】へ。




必要な数が十脚であれば、

【13-3:十脚のワイングラス】へ。




ここまで付き合ってくれたあなたに、私から一つアドバイスをしよう。


『念には念を』


この言葉を忘れないで欲しい。


 


そしてもう一つ。


大富豪と私を除いた八名の聴取の中で、明らかにおかしな矛盾点が一つだけあった。

 

あなたはその矛盾点に既に気付いているだろうか?

 

全くもって難しい話ではない。


順を追って八名の聴取を整理していけば、必ずその矛盾点に気付けるはずだ。


だが、その矛盾点の答え合わせをするのは、

ワイングラスのトラップを確認した後にしておこう。

さて、正解だと思うワイングラスの脚数は幾つでしょうか??

正解は三つのうちの一つだけ!


もし誤った選択をしてしまうと、その時点でこの物語は終わってしまいます。


是非、じっくりと考えてみてください!

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