悪夢を見た
夢を見ていた。
微熱と微睡みの中で醒めない夢を。
なんとも不思議な空間だ。試験会場ということはわかるのに周りに人がいない。しかし気配は感じる。これは運転免許の筆記試験か?しかしそれはおかしい。免許はとっくに返納したはずだし再度取得しようにも視力検査が通らないはずだ。
ということはこれは夢なのだろう。そう思えば何もかも皆なつかs・・・いや納得できる。
そう思っていると問題用紙が配られる。
第1問――国民的アニメセーラー○―ンの主要人物を5人答えよ。
まて!あの時間帯は家族にリモコンを取り上げられていたんだ。オタクなら全員見ていると思うなよ!その代わりテッカ○ンブレードやタ○ラーの時間帯は死守していたんだ。
第2問――国民的ゲームホ○ケットモンスターに登場するモンスターを10体答えよ。
世代が違うんだ。周りでやっていたやつは息子のヒーローになるためと頑張っていたイケメンが一人いるだけで他のやつは全く触っていなかったよ。
第3問――国民的ゲームファイナ○ファンタジーに登場するモンスターを5体答えよ。
あの手のRPGはレベル上げでダレるからやらないんだ。せめて魔法にしてくれ。佐賀ならやったから共通の魔法は多少わかる。ちなみにロマ佐賀はやっていないぞ。
第4問――国民的・・・・
第5問――国民的・・・・
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結果 不合格
判定 非国民
・・・何たる理不尽。運転関係ないじゃん。国民はメジャーなヲタ文化を抑えておかないといかんのか?というかメジャーなのはヲタ扱いじゃねえよ!これは間違いなく悪夢だ。早く醒めてくれ・・・・。
しかし一向に醒めない。おかしい・・・。大抵の悪夢は一区切りついたら起きるはずだ。何かがおかしい・・・。
そしてそのまま午後は実技試験。不合格なんだから続けても仕方ないだろ。というか実技受かってなかったら筆記って受けられないないんじゃなかったっけ?昔と制度が変わったのか?
そう思いながらも試験官を隣に乗せて走り出す。一般道なのに妙な傾斜があり路上に土砂が流出しS字やクランクを作っている。
何だ、この天然のレース場は?ラリー会場にでも迷い込んだのか?
そう思いながら雨の中運転を続けると行き止まりに。
「ああ、一本前を右折だったな。Uターンして戻ってくれ」
試験官にそう言われて戻っていくとさきほど指定されたところで左折する。しばらく直進すると試験会場に戻ってこれた。
「無事に到着だな。会場には到着したが道を間違えたから不合格だな」
試験官に言われて愕然とする。
「いやいやおかしいでしょ。地図も渡されずに目的地も知らされずに試験官の指示に従って運転していましたよね。道を間違えるっていうのは、試験官の指示が間違えってことでしょう?」
そう言って食って掛かるが
「そうは言っても道の間違えは不合格という取り決めがあるわけでこの決定は覆らないぞ。試験官の指示には従わなければいけないが規定によると失格だ。まあ道路の二択に失敗したと思って諦めるんだな」
「二択も何もそもそも試験官の指示がなければ進行方向を替えられないだろうが!合格できる可能性ゼロだろ。明らかに試験官のミスじゃないか。というか試験が運任せの二択ってありえないだろ!」
担当の卵の形(下膨れ)をした試験官を問い詰めるも飄々と規定で無理と答えを返される。これも昨日新作小説のネタで「つるつるたまご肌」なんて調べていたせいか・・・。妙にムカつく男だ。こんなところで反映しなくてもいいだろうに。
そのうち担当外の試験官も集まってくるが皆何処かやる気がない。クッお役所仕事とはこの事か・・・。
そうやって5分だったかそれとも30分だったか夢なので時間感覚が曖昧だが押し問答を続けていると周りの人間がいなくなってくるのがわかる。個人の判定はできないから最初にどんな人間がいたかはわからないがどうやらお開きらしい。
「今日一日無駄にした。しかも受験料も。許せない。金返せ!」
そう言ってみるも腐れ卵はニヤニヤ笑っているだけ。あまりの理不尽に腸が煮えくり返り頭に血が上りどうにかなりそう・・・・。
そんなところで目が醒めた。
しばらくの間、ここは本当に現実かと思いながらとりあえず時計を見ると横になってから3時間弱。どうも最近の睡眠不足に体調不良が重なって少し横になったら結構な時間眠ってしまったらしい。
とりあえず近所のミニスーパーに行ってみると、珍しく生ジョッキ缶がおいてあったのでつまみ用に高級梅干しと一緒に買って帰ってくる。
もう少し体調管理に気をつけないとと思いながら、腐れ卵を思い出し怒りが再発。ネットに晒してやろうと思って現在に至る。
まあどうあがいても架空の相手なので晒してどうなるものでもないのだけれど、とりあえずひどい目にあったと思いつつ、今夜は安眠できることを祈って生ジョッキ缶を開けた。
記憶に残る夢ってかなり浅い眠りのときなのかも知れませんね。
起きた後もしばらく朦朧としていました。