表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
画面の中の美少女へ  作者: 紅井さかな
13/38

12 疑惑の会議

閲覧ありがとうございます。

至らない点があるかと思いますが楽しんでいただけますと幸いです。


皆より一足先に店についてしまった俺は一人で、オレンジジュースを飲んでいた。


平日の昼間に学校の外にいるなんて何年振りだろうか。人気も少なく、なんだか落ち着かない。そんな静かな店にドタバタと二つの足音が近づいて来た。


「もう何なんですか?」

「だいたいあなたねー」


ショウとアヤカだ。二人は待ち合わせして来たのだろうか?いや、喧嘩しながら来たようにも見える……。


「「あ、アツシくーん!!」」

二人は声を揃えて俺の方に手を振っていた。




「ごめんね、待った?」

「いや、全然……」

「ショウくんが邪魔するから遅くなったのよ!」

「何ですか?その言い方は……」

「……二人ともなんか仲良さそうだね?」


また喧嘩が始まりそうだ。俺は冗談交じりで苦笑しながら二人に言った。


「「そんな事ない」」

「ほら、仲いいじゃん」

「「よくない」」


何だかんだ息がぴったり合っている。これで仲が良くないというのだから不思議だ。「ひょっとしたら二人はお似合いなのでは?」とさえ俺は感じる。


ショウは俺の隣に、アヤカは向かい側に腰掛けた。


「……何か飲む?」

「「メロンソーダ!」」

ショウとアヤカはまた睨み合っていた。収拾がつかない為、俺は話を切り出した。


「話してもいいかな……」

「全然いいよー。何なにー?」

「昨日のトモキとの事なんだけど……」


俺は昨日の一連の出来事を、アヤカに報告した。トモキとサホとマリアの関係、それからトモキに送られてきた謎のメールの事を。アヤカは頷きながら真剣に聞いていた。



「そんな事があったの……トモキ最低ね!DV、モラハラの上に二股なんて。何でマリアはトモキを好きになったんだろう……?とりあえず今はその送り主を調べるって事ね」


「うん。後、トモキが別れてからマリアの周りには男がいっぱいいたって言ってたんだ。アヤカは何か知らない?」


「そうねー。トモキと別れたあたりから私はあまり、マリアと普通に会話してなかったからなー」

「そっか。じゃあ、しらみつぶしにマリアのフォロワーを調べてみるしかないか……」


何万人もいるフォロワーのアカウントを一人一人見ていくとなるとかなり時間がかかるし、気が遠くなる。俺が悩んでいるとショウが、口を開いた。


「ヤマダ先生の事はどう思いますか?やっぱりこのタイミングで退職はおかしいと思いませんか?」

「ヤマダ先生も少し気にはなるよな。確かに突然すぎる」

「ヤマダ先生は関係ないと思う」


アヤカは真顔で自信があるように答える。


「どうして言い切れるのですか?」

「だってヤマダ先生がマリアを誘拐してあの動画を撮ったって言うのなら、とっくに掴まってると思う。警察だって動いているのよ?こんなに身近な人物のヤマダ先生がやったって言うなら逃げるタイミングあからさますぎない?それに本当に生徒に興味が無かったのよ、あの人」


「確かに……」


自分から疑われるような動きをするのはおかしい気もする。ヤマダ先生は独特だったし、たまたま事件のタイミングと、退職したいタイミングが重なってしまっただけなのだろうか?それにまだ、テレビでは容疑者が捕まったなどと言う報道は出ていない。


ショウはアヤカの話を聞いて何とも言えない表情で考え込んでしまった。


「あと、俺さ!やっぱりフライの事が気になって今朝、話を聞くことが出来ないか、メッセージを送ってみたんだ。返信はまだ来ないけど……」


「あー。アツシくん最初からフライも怪しいって疑ってたもんねー。マリアと最後に連絡取り合ってたのがフライだったんでしょ?」


「うん」

「それも本当に不思議よねー。マリアはフライの話なんて私の前では全然した事なかったのよ?仲が良い素振りもなかった……」


「あはは。アヤカの事信用してなかったから話さなかっただけじゃないですかー?」


ショウが仕返しと言わんばかりにニヤニヤしながらアヤカに言っていた。


「もう!そんな事ないもん!!」


「まあまあ……。じゃあまとめると、俺とアヤカはマリアのフォロワーを調べて、ショウにはトモキのメールの送り主を調べてもらうって事で。ヤマダ先生とフライは何かが分かり次第、報告しあうって事で。手分けして頑張ろう」



「「おー!」」






アヤカとショウはまた睨み合っている。


「……やっぱり仲いいよな」










最後まで読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ