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序章2 髪結い
「・・・姉さん、自分変かな?」
「そんな事ないよ、というか普段から結んでいればいいじゃない。」
「いや・・・それはちょっと恥ずかしい。自分は・・・兵士長さんみたいに、髪が真っ直ぐなわ
けでもないし。」
その言葉を聞いたバカラさんの顔が、若干渋くなる。ウルシ君は別に嫌味で言っているわけではないのだが・・・
でもそんな光景を見て、何故か私と兄は少しだけ笑ってしまう。何が面白いのかは分からないけど、ウルシ君はポカーン状態。
そしてバカラさんは、ウルシ君の頭をただ無言で撫でていた。バカラさんも、ウルシ君がただ純粋に褒めてくれている事は理解している様子。
ウルシ君、不思議とこうゆう『事故』を起こしやすいのだ。
でも悪気があるわけではないのは、私たち全員が知っているからこそ、『笑い話』に落ち着く。
互いの変化に驚きつつ 内心では喜んでいる
そんな5人のやり取りは いつまでも続く
・・・と 『その時』の5人は思っていた