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序章4 お言葉を述べる 次期王女

いよいよコンが お言葉を述べる時が訪れる

だが 何故かもう彼女の心には緊張がなかった

さっきまでコンを苦しめていた心の葛藤は 周りの人々が 全部消し去ってくれたのだ

陛下はそう言い終えると、少し後ろに下がった。そして私の隣に立っていたアンが、私の肩を掴んで舞台中央まで持って行く。

「・・・ここが正念場だな・・・」と、心の中でそう呟いた私は、唾を飲み込み、まぶたを一度強く閉じた後、改めて舞台下を覗いた。

皆、もう私を怪しむ目線は向けていない。真剣に私の話を聞こうとする姿勢だった。

・・・そんな視線の中に、『嫉妬』が混じっている感覚がするのは、もう仕方ないと諦めているけど。

ただ、此処でバシッと言葉を言わないと、陛下達の信頼にも関わるかもしれない。

そうなれば、私は恩を返す為に、ちょっと背伸びした発言だって、何だって言ってやるわ。




「・・・・・皆様、はじめ・・・ましてでしょうか?

 時折王都の方へ足を運んでいる為、見かけた人も多いかと思います。ですが此処で、改めて名を述べさ

 せていただきます。

 

 改めまして、私は『コン シルフォ』と申します。


 まだ色々と不慣れで、皆様にご迷惑をかける、未熟な私ではありますが、この舞台に立つ事を快くお許

 しくださった、陛下や殿下には、『成長』という形で、これから少しずつ貢献していきたいと思ってお

 ります。」


そう言って、私が頭を下げると、舞台下からはが上がった。それを聞いた途端、緊張が一気に吹き飛んでしまう。

私はその歓声がすごく嬉しくて、涙が出そうになる。

自分が未熟なのは、私自身が一番分かっている、だから歓迎されなくても仕方ない・・・と、半ば諦めていた節があった。

だから、もし舞台下からブーイングが来ても、気に留めない準備だけはやっておいた・・・が、私のそんな予想は、いい意味で裏切られてしまった。

歓声をあげている人の中には、トゥーソさんも混じっている。

トゥーソさんは歓声と一緒に、「頑張れー!!」と、私を励ます言葉も交えてくれた。

もうここまでされたら、私も胸を思いっきり張らなくちゃいけないな・・・

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