表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

あなたは…だれ?

風星は、意を決して車から降り、橋に一歩を踏み出した。

その時だ…


「おーい」


どこからか声が聞こえた気がした。


「・・・?」


辺りを見回して見ても誰もいない。


(気のせいか?)


そう思いながら、風星はまた一歩を踏み出し歩き始めた。


だがまた、今度は、はっきりと後ろのほうから男の人の声が聞こえた。

恐るおそる振り返る。

振り返った先は、森。

ただ、この橋に導くかのように一本の道ができているのがわかる。

そこから、


「おーい!待ってー!!」と人が駆け寄ってくるのが、かすかに見えた。


風星は足を止め少し身構えながらも、待っていた。

もし、怪しい人でないのであれば、この橋を一緒に渡ろうと思ったからだ。


(まず、どこからきたのかを聞いたほうがいいかな。年齢と名前とあとは・・・)

(あとは・・・)

(ここがどこなのか。)


不安そうな表情をしながら、そんなことを考えていた。

ハッと我に返り前をみる。


「はぁ・・はぁ・・。やっと・・・人に出会えた・・・。」


と肩で息をしながら膝に手をつき風星のほうを見ている。

二十歳前後くらいであろう男の人と目が合った。


「あなたは・・・だれ?」

少し声が小さくなり震えていた。

どこの誰かもわからないひとと、ここがどこかもわからないところでどうすればいいかもわからない。


「僕は・・・」と男の人が話し始めた。


「信じてもらえないかもしれないけど、

 仕事に向かっている途中でいきなり

 すごい光に包まれたんだ。

 そのあとまぶしくて、めがあけられなくて、

 目をこすりながらやっと開けられたと思ったら、

 どこかもわからない、こんな場所にいたんだ。」


うつむいて男の人は話を続けていた。


(なんだか私と同じ。でも、私の状況はまだ話していないから知らないはずだし。)


風星が考えながら話を聞いていると、うつむいて話をしていた男の人が急にパッと顔をあげた。

風星は少しびっくりし、ピクッと体が動いた。


「でも、一本道だったんだ。

 だから僕はひたすら歩いた。

 そしたら、人影が見えて

 まさかと思って走ってきたんだ。

 そしたら君がいた。」








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ