〜大きな物語〜 第三話 人類
この度は私の作品を開いていただきありがとうございます。この作品はまだ完結していませんが新しい章が完成次第投稿させていただきます。今しばらくお待ちください。更新までに時間がかかる可能性があります。感想を送っていただけると作業スピードが向上するのでよろしくお願いします。ではみなさん。そろそろ冒険が始まります。お気をつけて行ってらっしゃいませ。
第三話 人類
「あれ」が近付いてくる。それと同時に心臓の鼓動が早くなる。俺は一〇一式小銃を構える。まだだ。もう少し引きつけなければ。俺の腕じゃああの距離では倒せない。「あれ」の足音は大きくなる一方だ。よだれが垂れている音まで聞こえる。全員が死を覚悟したその時俺は立ち上がった。小銃のサイトを覗き込み「あれ」に向かって思いっきり乱射した。銃の反動が肩にズシズシと伝わってくる。その度に上を向いてしまいそうになる。その反動を我慢して銃を下に押さえ込む。
「おらあああああああ」
俺は狂ったんだろうな。って何を考えているんだ俺は。今は戦いに集中しないと。あの頃の上司の言葉を思い出すなぁ。ボケッとするな、か。懐かしいな。ふと我に帰る。みんなが獣を見るように自分を見ている。
「どうしたの?」
「どうしたのってそれは俺が聞きたいよ」
震えた声でジョンが言う。前を見る。そこには穴だらけの「あれ」の死体が転がっていた。目は転がり落ち、皮膚は原型を留めていない。つのはバラバラに砕け散り、内臓が腹から飛び出ていた。
「獣の死体がどうかしたの?」
「何を言ってるんだお前は」
何を言ってるんだろう。ジョンは。俺がみんなを助けたんだ。あ〜あ、俺って本当に狂っちゃたのかな。
「う、、」
俺はその場に倒れ込んだ。その後何が起きたのかは分からない。目が覚めるとそこはシェルターだった。仲間が負傷していた。
「どうしたんだ?」
「・・・」
「答えてくれよ」
「お前が狂ったんだよ。そして、いや、俺たちに向かって銃を乱射してきたんだよ。どうだこれで満足か。別にあのままお前を置いてきてもよかったんだぞ?分かるか?」
俺が何をしたって言うんだ。しかしあの時に俺が狂っていたのは事実だ。
「ごめん。」
「ああ。わかってくれたならいいさ。」
「そういえばジャックは?」
ジョンは目を伏せる。ジョーの方を向く。ジョーは靴紐を咄嗟に結び始める。誰も言いたくないのだろう。
「わかった。すまない。」
「フィルターはあと何枚残っている?」
「お前のせいで一人当たり残り二枚だ。」
これはまずい。明日のうちに意地でもシェルターを見つけないと俺たちは死んでしまう。その時だった。シェルターの扉がどんどんと叩かれた。俺たちは急いで銃を構える。念のためガスマスクを装着し、一歩ずつ扉に近づく扉の窓から見えたのは想像を絶するものだった。300人ほどの人類だったのだ。彼らは生き残り、仲間を集め大きなシェルターを作りそこで生活していたのだ。
「おい、お前たち大丈夫か?」
「助けが来たぞー」
俺たちは精一杯喜んだ。そのあと彼らの中に入って例のシェルターへと向かった。1時間ほど歩いたところで先頭の人々が立ち止まった。
「よーし、全員入れー。」
次々に人が入り込んでいく。ついに俺たちの番だ。シェルターの中には子供や女がいた。ここが人類再起の地になるのだろうか。人類とはあきらめないものだ。例えもう一生外に出ることができないと言うことを思い知らされたとしても次は地下に拠点を作る。なあアシュ、人類ってそう言うものだろ。俺もあきらめないさ。
この度は私の作品を読んでいただきありがとうございます。どのような伏線が見つかったでしょうか。友達と話してみるのも面白いかもしれませんね。冒険はまだ終わっていません。次の章が完成するまでお待ちくださいませ。