ジャパロボ 数千年後
「ふあ～あ！ よく寝た！」
寝ていた祐奈が目を覚ました。
「あれ！？ 真っ白だ！？」
祐奈の目の前には部屋も陸も何もない。寝ていた布団も枕もない世界が広がっていた。
「おはよう。祐奈はん。」
ＡＩロボットの明治天皇の声がした。
「明治天皇！？ どこ！？ どこにいるの！？」
しかし明治天皇の姿は祐奈には見えない。
「わての姿は目では見えません。心の目で見るんです。」
「ええー！？ 心の目！？」
祐奈は目を閉じて、心で明治天皇の姿を描いてみた。
「見えた！？」
明治天皇の姿が見えた。
「でも、なんで！？」
「祐奈はんが眠っている間に数千年の月日が流れたんや。」
「数千年！？」
眠り姫祐奈は数千年の時を飛び越えていた。
「数千年の間に祐奈はん以外の人類は滅び、ロボットをメンテナンスする人間もいなくなりロボットも消え去り、そして地球上に残されたのは祐奈はん一人だす。」
「ええー！？ 私、一人ぼっちなの！？」
地球には祐奈しか存在しなかった。
「私には明治天皇がいるじゃない！？ 私は一人なんかじゃないよ！？」
「このわても祐奈はんの記憶が復元しているだけや。祐奈はんがわてを忘れたらきえてしまうどす。」
「そ、そんな！？」
自分の記憶と対話している祐奈。
「そんなの嫌だよ！？ 私を一人にしないで！？」
「いや、それは無理やね。祐奈はん、諦めなはれや。」
もうＡＩロボットは諦めている。
「嫌だ！ 私は諦めない！ 私が諦めなければ世界は終わらない！ 私が地球を再生してみせる！」
祐奈は全ての世界を描くことを願った。
「ち、地球が再生していく！？」
真っ白な世界が草木や水が生まれ、美しいかった地球が再生していく。
「人が想いを描くことに限界はない！」
祐奈は滅びた地球と同化することによって美しい星を、もう一度作り上げていく。
「時間はかかるかもしれないけど、新しい命が生まれて、きっと地球はやり直せる。私は再び眠りにつくよ。新しい世界が平和で笑顔が溢れる世界であることを祈りながら。」
祐奈は地球を救うために本当の眠りについた。
「本当に地球を救ってしもた！？ 祐奈はんらしいな。わても祐奈はんと一緒に眠りにつこう。だって、祐奈はんのいない世界で生きていくのは辛すぎるから。」
ＡＩロボット明治天皇は自ら自身の電源をオフにするのであった。
終わり。
