人生の二周目は強いと言うが明らかに1周目の途中データ
高校生活がもうすぐ終わる。
あの子は今何をしているのかなと
桜に問いかけてみたが、花びらを散らすばかりで意味が無い。
時々と思う、あの時こうしてればなんて馬鹿げたことを。
家に帰るが誰も居ないなんて日にはテンションが上がる。
今日もそんな日だったはず。
家に帰ると誰も居ない。玄関で靴を揃えて炊飯器にご飯をセットして風呂に入って。
ご飯を作ってるとちょうど親が帰ってきた。
「ただいま」
「おかえり」
両親が帰ってくる頃には料理がテーブルに並んだ。
「いただきます」
「ごちそうさま」
食べ終わると食器洗いに、んで親が風呂終わったら洗濯機をかけて。
洗濯物を干したら明日の準備をして、布団に。
そうそう寝るなんて出来ないから楽しい事でも考えるか。
ぴよぴよなんて聞こえたかもしれない
「あんたもう6時よ!」
高校は9時開始で家から30分だぞ…毎回この時間に起こすなんて。
「んー起きてるって!」
「なら、早く着替えてご飯を食べなさい」
ほんとおかしいよな、はぁ…
「あんたねぇ中学生活ももう終わるのよ」
「え??」
いま、なんておっしゃりました??とは声に出なかったが通じるものはあるのか
「はぁ寝ぼけてん?」
「まじかぁ、ごめん寝ぼけてたわはよ急がんかん」
一体今日がいつなのかは分からないけど中学は8時30分スタートだったはず
そして家からは1時間だったはずだ
「やべぇ急がにゃかん!」
制服!制服!!
急げ急げ、よしっ
「いってきまーす!!」
確か中学の時はタケとシュウスケがあそこの看板で待ってるんだっけかな
おっタケがもう着いてるな
「おっ秋斗めずらしく遅いな」
「すまん、寝ぼけてた」
「にしてもシュウスケ遅いな」
「え?聞いてないのか秋斗?」
まさか、初めてシュウスケが休んだ日?!
2018年1月15日月曜日。
「あ、あぁ風邪だったな」
「そそ、さて学校いくかぁ」
1時間もかかるって学校変えたいレベルな道のりだよな…
「でさぁー昨日の猫犬可愛さ対決でよー」
「その番組確か放送中止になるぞ」
その番組確か放送中止になるぞ
「え?」
「え?」
しまった、
「なんでもない忘れてくれ、寝ぼけてるみたいだ」
「だよな!んだよ!びびったぞ。」
「それよりさ、タケ。お前好きな人できたらしいな」
確かこの時から人生の歯車が
「そうだよ俺が好きな人はー、ってお前知らないだろ!!」
「ちっ、そこをなんとか〜他の人にゃ言わんで!」
確かここで聞き出した名前が上町あみ。
「上町さんだよ!ほら優しいじゃん。それに美化委員で同じだったからほら!」
「ほほーん上町さんかメモメモ」
「メモするなっ!!そーゆお前こそ誰かいんじゃないの?」
「俺は居ないよ」
「んだよ、即答か!」
「まぁタケ安心しろ二人の仲は保証する」
確か中学卒業した後あの二人は付き合う事になる。
「ありがとさん!」
「そーいえば今日数学の小テストあるって」
「え、まじ?!!!」
「まじだよまじ、秋斗数学苦手だからって現実逃避するなよ」
「ふむ、今どきの中学三年生レベル見せてもらおうか」
「きたー!!!秋斗君の厨二病モード!」
「いや、喜ぶな」
確かこのテストがきっかけで
「オラァ!そこシャツをしまえ!!」
学校の門前鳴り響く怒声。どうやら検問しているようだ
「前ヶ崎せんせーおっはよー!!」
「おう、おはよさん」
「せんせーおはようす」
「お、秋斗お前今日のテスト出来悪いと成績に悪影響かもしれんぞ」
「んぎゃァァ!!嘘でしょメーデーヘルプ!」
「うっさい」
ゴツンとカバンでどつかれた
「上町、お前いくらなんでも叩くのは良くないぞ」
「いや、前ヶ崎先生秋斗が悪いんです」
サラッと友達を売るなタケ
「前ヶ崎先生おはようございます」
「あ、あぁおはよう」
サラッと流されてないか?俺がどつかれたの
「上町さん、おはよう今日のテスト自信ある?」
「武雄くん大丈夫だよ予習バッチリ!」
「そうなんだ!良ければ教えてくれない?」
「いいわよ、私が教えれる範囲なら」
「よーし教室にレッツゴー!!」
「たっく…さて、俺も教室に」
えーと下駄箱は、3年4組の19番だからここか
えっと確か3階のあったあった
席は確か後ろの入口から2番目と。
まだみんな来てるって程じゃないな
「んしょっと」
今日も6教科に加えて小説6冊
グッ入れ入れ…
っ入らねぇな。まぁカバンに入れて横にかけとくか
ロッカーに入れろとかふざけてやがるわ。
さて、読むかな。
んー、そこで主人公そう言っちゃうかぁー
う、このセリフはっず…うわ次ちょっとエロいのじゃん
飛ばしてと、
「おー砂河どれ読んどん?」
「っ?!あ、サダメか」
「どれどれ小説チェック」
くっ…慌てるな俺は高三だ中三よりキャリアを詰んでる。
いや、積んでるだよ!
「お、風呂シーンここだけ切り取って貰ってええか?」
「やめたまえ、なら君がこの本を買うといいさ。この素晴らしい絵を描く絵描きさんへの恩返しにもなるぞ」
我ながら素晴らしい回答
「ちっ!時々賢くなるのやめろよな!」
「おぅ、俺はいつもこうだろ?」
「だったな、さて8時25分だし席戻るわ」
「え?もう25分かよ!!いいシーン見逃したァ」
さて、本をしまって寝たフリを
ガラガラ
なんてタイミングの悪さ
「はーい日直」
「きりーつ!」
がたがたがた
それと毎度思うが音のならない椅子を開発出来たら特許取れるぞ。うるさい
「きおつけ!」
「おはようございます!!!!」
「「「「おはようございます!!!」」」」
「はーい、いい返事ね。日直」
「着席!」
がたがたがた
「えーと、出席出席。えー朝平!」
「はい!」
「池元!」
「はい!」
……「砂河!」
「おう」
くすっくすっ
「さ、砂河っ…なんだそのダサい声はっ…」
しまったァ癖が
「まぁいいや、次鈴野!」
「はい!」
……「以上よしっ出席35人。」
「でー今日は────であるから────だ。以上日直」
「きりーつ!」
がたがたがた
「きおつけ!!」
「ありがとうございました!」
「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」
俺だけありゃさんしたとか言ってたけど誰も気づかんね
さーて、続き読むか…
よくよく考えたら全巻読んだから内容覚えてるぞ。
よし、とりあえず状況整理が必要だな