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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
召喚術師の始まり
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倉庫/出会い

 ダンジョン探索3日目の朝。


 ダンジョン入口前を見ると、いくつかのグループが相談しながら買い物をしていた。

 中にはおそらく日本人と思われる集団もあり、日本で見たアニメなどの元ネタで盛り上がっている。



 その日本人集団だが、面白い事に身長でグループ分けされている事に気が付いた。

 当たり前だが、身長が違えば歩幅も変わる。少しぐらいなら背が違って問題ないだろうが、例えば俺みたいに背が低すぎる奴が仲間に加われば移動速度に問題が出る。移動速度は一番遅い者にあわせることになるので、高身長の奴にはストレスだろうね。

 中にはジョブ『猛獣使い』が馬のような騎乗動物を使役することもあるので一概には言い切れない部分もあるけど、ジョブだけでなく身長もパーティきめには重要なファクターに成り得るって話だ。


 これ、俺が仲間を探す時に相当苦労するって前振りになりそうだな。

 可能なら同じように身長ネタで弾かれた集団でも見付かるといいんだけど。





 いつものように地下通路を歩いていると、1時間以上歩いた先で通路に扉がある事に気が付いた。

 扉は特に偽装されておらず、半開き状態であった。


 ゲームの時であればお宝のある部屋かモンスターのいる部屋だろう。息を止め、出来るだけ静かにする。

 部屋の中から聞こえてくる音を拾おうとするが、俺の耳では聞き取れない。聴覚などの五感はINT(知力)依存のはずで、俺はそこまで苦手としてはいないが、それでもスキルの≪鋭敏感覚≫が無い為に上手くいかないのだろう。スキルの有無はかなり大きいのだ。


 いつまでも様子を窺うばかりでいられないし、俺は意を決して部屋に踏み込む。ゴブリンなどのモンスターはいないだろうと、松明を持ったままでの侵入だ。

 もちろん、スライムを警戒して油はすぐに使えるようにしてある。



 部屋に踏み込むと、そこは物置のようであった。

 壁の至る所に鉄製らしき武器が並べられている。鎧なども置いてあり、俺は「大当たり」の光景に思わず叫びそうになった。声は出さないが思わず握りこぶしで喜びを表す。


 俺が持ち出せる武器防具の量などたかが知れているが、これで数日分の宿泊費になる。

 惜しい事にダンジョンの構造は完全ランダムだ。この部屋に何度も来ることができれば一攫千金と言えたのに!! 出来るだけ状態のいいものを見繕い、高く売れそうなものを持ち出すしかない。


 俺は今日の探索はこれまでと見切りをつけ、持ち出す物の選別を行う。

 予備の槍を一本は確定として、楯関係は重量とサイズの問題で諦め、錆の少ない武器を選んでいく。冒険スキルの≪博識≫、他ゲームで言う所の鑑定スキルでもあれば良かったんだけど、生憎俺はそのスキルをとっていない。見立てはあくまで俺のリアルスキルだ。それでもより良い物をと、必死に考える。

 ティナにも運ばせる気でいるので、その量はかなり多めに見積もった。





 ありがたい事にスライムほか、モンスターの侵入・乱入は無かった。

 が、別枠で困った乱入者がいた。


 魔法生物・ホムンクルスと同じく魔法生物のメイドサーヴァントたち。

 装備はぼろ布一枚を体に巻いただけと煽情的だが、全員が幼い姿(低レベル)なので性的な物は感じない。

 このあたりにホムンクルスなどがモンスターとして出てくるとは聞いた事が無いし、出てきたとしてもこれ(・・)は無いだろう。


 おそらく他の日本人冒険者が用意した冒険の仲間だった(・・・)者達がやって来たのだ。

 主無き人形たちは俺を見て口を開く。


「冒険者、それも魔法職の方とお見受けします。

 どうか私たちを、助けてくれませんか?」

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