表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
加速する世界
86/320

新メンバーの条件③

 『冒険家』に加えるべきジョブは『神官』か『格闘家』か。

 その議論は平行線になり、タイムアップで終了となる。

 どうやったら相手が引くかを考えない議論は基本的に意味が無い。どうだったら相手に譲歩してもいいと考えずに議論すれば喧嘩になる。

 だから、こうなる事を予測して、あらかじめ議論は時間を区切ってする事にしている。


 お互いに引く意思がないことを確認できただけ、実入りはあったと思っておく。



「で、真面目な話さ、『神官』にアテはあるの?」

「神官見習いの知り合いがいます。ジョブではなく、お仕事や立場としての神官ですけどね」

「その人のジョブは?」

「『冒険家』ですよ。『神官』ジョブが解放される可能性は高いと思いますね」


 『神官』はレアなので、仲間に出来るかどうかは運任せになる。

 セカンドジョブが解放されたことで兵士たちの中には相応の数が増えたわけだが、それでも数が少ないことに変わりはない。


 あまり『神官』に拘るといつまで経っても仲間が増えないので、警告交じりにイーリスに話を振ってみたら意外な回答が来た。

 と、言うか。まさか、この流れだと?


「もちろん、女の子ですよ。下手に男を仲間にするわけないじゃないですか」

「ブレないなぁ」


 イーリスは男がパーティに入るのを嫌がるため、休みの内に色々と動いているようだ。

 知り合いの、冒険者になってくれそうな女性の友人に声をかけているらしい。もちろん、パーティの戦力としてカウントできそうな相手に限定しているが。


 俺は「子供なので大丈夫です」と、男の枠から外されているのが悔しいけど、藪蛇は御免なので俺の実年齢については伏せてある。まぁ、精通の無い肉体に引き摺られたのか、性欲は全く無いので問題ないだろうけど。



 イーリスが(リーダー)に断りもいれずに友人から仲間を探すことについては、俺も話がまとまる前からゴラオン経由で人探しをしているのであまり悪くは言えない。

 アイツは『神官』を確保しているし、『神官』なら紹介してくれる芽があっただろうからね。これが『魔術士』との縁なら絶対に手放さないと思うが。


 元々、旧ギルドに所属していたクラン所属の人たちは新しい人を入れる事に躊躇するが、ゴラオン達のようなクランに入っていない『北極星』直属の冒険者だと、新人勧誘は頻繁に行われ、人の移動が激しいようだ。

 新しいクランを作るという話は出ていないが、パーティ単位でまとまった連中が結構いて、中には傭兵のようにいくつものパーティに手を貸す奴もちらほらと見かけるようになった。

 クランのレベルで人が集まればそこで人のやりくりもできるけど、パーティ単位では傭兵を必要とする時もある。主に病気とかで。傭兵の需要は今後、高まっていくだろう。





 イーリスの方に人のアテがあるというなら、ゴラオンの方に一度話を通し、アイツの見つけた候補者に会ってみた方がいいかな。

 さすがに人の紹介を頼んでおきながら「他で人が見つかったからもういいよ」は不義理だからね。筋が通っていない。


 一体どんな奴が見つかったかな?

 いや、見つかってない可能性もあるんだけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ