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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
竜召喚士と人造魔術師
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新メンバーの条件①

 ゲーム的に考え、同じジョブや同じスキルで構成されたキャラクターとして相手を見ると、思わぬ痛い目を見る事がある。


 前に出たがる奴、なかなか前に出ない奴。

 敵を倒すことを優先する奴、ダメージを喰らわない事を優先する奴、そもそも戦わずに済ませようとする奴。

 ダンジョン探索中は全く私語が無い奴、逆にお喋り過ぎて注意した奴。


 最高のパーティを目指すなら人格面だけでも考えなきゃいけない事は多い。

 それに加え戦いの癖も見極めろと言うのだから、自分に合った奴を探すなんてやっていられない。自分も相手に歩調を合わせ、最高のパーティになっていくしかないのだ。





 桜花が死んだあの一件から2ヶ月ほど経過し、組んだ人は12を数えた。

 もともと5人パーティという事もあり、たまに6人でダンジョンに行くこともあって、当初の予定よりも早いペースでヒトの入れ替えが行われている。


 人の入れ替えは協力し合うのに慣れた頃に行われるので、効率が悪いやり方をしているように思えてしまう。

 お互いに協力し合おうという姿勢の人間ばかりが来るので、迷惑をかけられることが少ないのが救いである。……日本で会社勤めをしていた時は、やる気の無い新人にかなり苦労させられたからな。



 2ヶ月の間に俺達は経験値を何度か得る事ができ、俺と桜花、ミレニア、それぞれの召喚モンスターはレベル8になった。イーリスもレベル6に上がり、戦力と言えるところまで成長した。

 俺は『騎士』を『盾騎士』に、桜花が『ホムンクルス』から『ホムンクルス・レンディア』に、ミレニアは『荷運び』を『倉庫番』へとジョブチェンジしている。



 『盾騎士』は≪カバーリング≫でみんなを守るためのジョブで、そもそも攻撃を引きつけ重装甲で守る『鎧騎士』とは違う軽装タイプの守り手だ。

 実際に組んで感じた事だが、『鎧騎士』の守りは魔法の射線が通り難かったり、視界が遮られて状況判断に悪影響が出たりと、わりと使えないジョブのように思えた。魔法生物が多めのダンジョンでは攻撃を引きつけるのが難しいというのも低評価に繋がる。


 俺は基本的にこのダンジョンを攻略しきる気はないんだけど、それでもこのダンジョンで最も高いパフォーマンスを発揮できるパーティを作る気でいる。

 そうなると『鎧騎士』という選択肢はなく、『盾騎士』を選ぶのが妥当と言えた。

 本当はもう一つ、『竜騎兵』という騎乗戦闘の専門家になる道もあったのだが、今回はそちらを断念することにした。……今回は、と言うより、今回限りなんだけどな、『騎士』のジョブチェンジ。



 桜花の『ホムンクルス・レンディア』は前々から話していた事なので、そちらは特に問題なし。



 ミレニアの『倉庫番』は、≪アイテムボックス≫をひたすら大きくすることで選べるジョブだ。

 他にも出し入れの速度を早くする『手品師』、入れた物の時間や温度の管理ができる『管理者』などがあるが、『手品師』は『戦士』と相性がいいからイーリスがなる予定で、『管理者』は腐ったりする生物を扱わないから見送った。

 本人もたくさん物を運べればそれだけ収入が増えるので、喜んでそれを選んだ。



 そうやってパーティーが強化されてくると、次の話をしたくなる。

 そう、新メンバーの話である。


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