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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
竜召喚士と人造魔術師
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次に向けて

 桜花の蘇生費用でこの間稼いだお金の4分の1が吹っ飛んだ。

 その前の装備購入でも結構使った。


 あれは臨時収入、あぶく銭の類だったので特に後悔は無い。

 と言うかね、あそこで桜花を生き返らせないという選択肢は無い。人道的な面もあるけど、特に戦力的な問題で。

 レベルを考慮するとそれなりの魔術師でしかないけど、これまで組んできて、それだけの信頼と実績を積み重ねてきたのだ、彼女は。


 幼子の様な桜花は俺に依存している面があるけど、自我が発達していけばいつか俺の元を離れていくかもしれない。

 その時は思いっきりわがままを言って引き留めてやろうと思う。


 俺の中身(年齢)は大人だけど、心はいつでも少年(コドモ)だからな!






 ダンジョンでの探索が終わると、基本的にはミーティングと言うか反省会をする様にしている。

 桜花の件があったのですぐにやらなかったが、桜花の蘇生が無事終わったのを確認できたので、早速集まってもらった。


 当たり前だが、今回はサイファさんにも参加してもらっている。



「じゃあ、今回の反省点を上げていこうか」


 問題点をいくつか挙げていき、どうすれば良かったのかと対策に繋げていく。

 サイファさんはこういった集まりを普段はやっていないようだったので特に口を挟む事も無く、話し合いは進んでいく。

 イーリスは2回目なのでサイファさんよりは喋れる立場である。



「やっぱり周辺探索ができる人がいないと難しいね」

「治癒の薬に頼り過ぎですし、もう少し経費を抑えないと赤字になりますよね」

「戦力低下をもっと真剣に考えないと駄目」

「もっと早くに逃げるべきだったんだろうね」


「私の妖精だけでは無理があるんですよね」

「治癒の薬ってギルドで作ったものを買っているんですよね? そちらの経費を抑える事で対応できませんか?」

「レベルアップをしたのだし、次は上手くできるのでは?」

「そこは前回の戦力で出来る対策を考えないと。また同じことを繰り返すよ」


 すぐにいくつもの意見が出る所もあれば、なかなかみんなが喋れなくなる時もある。

 時に意見を区切り、時に俺が主導して話を進め、次への課題を出し切っておく。



 そして反省会が終われば次は次回のダンジョン探索の話し合いになる。


「次は桜花抜きになるから、今からだと人が集まらないし、中層の本当に浅い部分を短時間だけ探索することになるね。

 仕事は軽めの物を受けるよりも、適当に回収できる物を回収して、あとで清算できるようにまとめようか」

「そうなると泊りは無理か」

「浅い所を探索するだけならその方が都合が良いのでは?」

「しょうがないよね、桜花ちゃんがいないなら」


 次回はフリーの探索という形にして、他のクランの持ち寄った依頼外の物で適当な依頼(クエスト)がこなせるようにすれば報酬が確保できるだろうと楽観的な見積もりを立てる。

 戦力を落とした結果が前回の大苦戦なら、ここは慎重に動くべきだろう。


 お互いに意見を出し合ったら予定をハッキリさせ、翌日に備えて各々が準備に動く。



 サイファさんはほとんど喋れなかったが、これで俺たちのやり方の一部は分かってもらえたと思う。

 願わくば、元のクランに戻った時にいい影響が出ますように。

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