表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
竜召喚士と人造魔術師
74/320

パーティ解散④

 確認してみると、ゴラオン達も無事に新しい仲間を確保できたようである。

 パーティ解散はすぐとはいかないが、これでスムーズに話が進む段取りが出来たわけだ。



「それにしても、ずいぶんあっさり仲間を切り捨てるんですね」


 一緒にパーティを組むことになったイーリス。

 ゴラオン達とはパーティを解散するといっても、冒険初心者のイーリスには他のパーティとの繋がりはあった方がいいだろうと考え、顔合わせだけはやっておいた。

 もともと少しは面識があったわけだが、ちゃんとした縁を作ろうと思えば継続的な顔合わせは必須である。イーリスの為にもこれからもギルド内で顔を併せれば世間話をできる程度の付き合いは続けていきたい。


 そうやってゴラオンらと話をしていたイーリスは、俺が何の気負いも無くパーティを解散した事に疑問を持ったようだ。


「命を預ける、預かる間柄だよ。変な遠慮は仲間を殺すから、そこは妥協しちゃいけないんだ」

「それほどのことですか? それに、互いが言葉を尽くして語り合えば多少の調整は効いたと思います。歩み寄ろうとする姿勢が見えないのはどうなのでしょうか」

「そう? まぁ、リスクを背負おうとする気、俺には全くないからね。そこは妥協できない、譲れない一線だからねー」


 イーリスはまだ経験が足りないなと思いつつ、俺は「どうしてパーティ解散をあっさりしたのか」を説明してみる。


「もともと、パーティはどこかで解散するつもりだったんだよ。戦力的にメンバーのバランスが悪いし、もう少し経験値配分のいいパーティを作りたかったから。

 あと、こっちの経験不足の問題もあるんだ。俺の知識の中で(・・・・・)最強のパーティを目指すんだけど、それが絶対に正解かって聞かれるとそうでもないし? いろんな人と組んで試行錯誤する期間は絶対に必要になる。これは俺だけじゃなくて他のパーティやクランもそうなんだけどさ。

 あとは……パーティ解散に全く忌避感が無いってのも理由じゃないかな? ほら、別に死ぬわけじゃないし。会おうと思えば会えるんだし。なら、別に同じパーティじゃなくてもいいよね」


 日本での経験だが、仕事をしていると、メンバー入れ替えはわりと頻繁に起きる。

 ワーキングシェア、仕事の平滑化には社員がオールマイティであることが求められる。オールマイティは言い過ぎにしても複数の仕事をこなせるようにして、誰かが休んだ時のフォローができる体制を整えるのが一般的な会社運営だ。

 それには定期的な部署の入れ替えやマニュアル作成で対応していくのだが、それに慣れ親しんだ俺は人の入れ替わりに忌避感が無い。と言うか、そんな事を嫌がるようでは会社員はやってられないとすら思う。


 ……新人育成、メチャクチャ面倒くさいけどな! 教えたとしても教えた奴が他の部署に遷されるのが前提で、徒労感も半端ないけどな! しかも教えたことを数日後には忘れられていて、あまりの無常に感情が凍るんだけどな!!

 教育係を3年もやればそれも日常としか思えなくなるんだよ。



 日本の会社事情について知識の無いイーリスであったが、それでも最強パーティを目指すために人の入れ替えが必要と言うのは理解してくれたようだ。


「なるほど。確かに、知識だけで「これが最強パーティだ」とは実感できませんよね。同じジョブ、同じスキル構成でも同じ働きができるとも限りませんし。

 経験し、現場を知り、それらを糧として自らの道を作る。ええ、それなら納得できます」


 色々と経験して、最終的に元のパーティの方が良かったと言えるようになるのなら、それはそれでいい。

 この手の経験に最短ルートも回り道も無く、進むか進まないか、早く急ぐのかゆっくりじっくり行くのかの違いしかない。“回答の無い問い”とは常にそういうものだからだ。


 ま、今ある手札を最強まで育て上げて「これが俺の最強パーティだ」と強弁するのも間違いじゃないんだけどね。

 俺は人の縁を結びつつ、いろいろ試す方法を選んだ訳だが。



「それに、ね」


 あと一つ。

 ちょっと考えていたことも口にしてみる。


「同じ男として、親友ポジションもいいけどさ、ライバルってのもいいものだと思わないか?

 競い合う相手がいた方が張り合いがあるだろ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ