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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
竜召喚士と人造魔術師
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パーティ解散②

 ゴラオンやキュロスの顔を一言で言い表すなら「こんなつもりじゃなかった」だろう。

 ミレニアはわりと普通。先に進みたいという話が出た段階でこの流れを予想していたんだろう。

 桜花の表情は読めない。半年以上、ずっと一緒にいるけど無表情の壁に守られている時の桜花は本当によく分からない。



「あ。桜花は悪いけど、俺に付き合っておらうからね。

 この分だとゴラオンとキュロスが一緒に組んで、俺と桜花、ミレニアの組に分かれるのかな?」

「そうですね、私はマスターと一緒です」

「わたしもレッド君と一緒の方がいいかな。あんまり無理をしたくないし」

「……あー、言いだしといて悪いが、新しいメンバーが見つかるまでは一緒にいてもいいか? さすがにいきなりパーティ解散ってのは考えてなかった」


 一応程度に俺と桜花はワンセットと付け加え、このあいだの夜に聞いた会話から予想を口にしてみた。


 そうするとキュロス以外からは一通り意見が出てきて、俺の意見がそのまま通るような流れになった。

 ただしゴラオンらもいきなりパーティ解散は想定外だった為、猶予期間(モラトリアム)が欲しいと要望が上がった。うん、しょうがないよね。似たような考えの仲間が見つからないとダンジョンに潜れないし、そうなると収入が無くなっちゃうし。いきなり無職で無収入はきついよね。


 何も言わなかったキュロスは最後まで無言を貫き、ゴラオンと一緒にパーティを抜ける事に決めたようだが、何かショックを受けているようだった。

 折角見つかったパーティが解散というのは、それほど衝撃を受けるものなのかね? 経験の差なのか、俺にはよく分からない。



 こうしてパーティ解散の話はあっさりと終わった。

 しばらくしたらゴラオンらと別行動になるので、俺たちの方も新しいメンバーを探さないといけないな。





「それで私ですか?」

「そうそう。俺達の方じゃなくてゴラオン達の方でもいいけどさ、一緒にダンジョンに挑んでみない?」


 俺がまず目に付けたのは、武器屋の娘、イーリスだ。

 彼女は『戦士』ジョブ持ちなのでゴラオンの代理としては打って付けである。


 イーリスは俺の言葉に少し悩むそぶりを見せたが、


「そうですね。それならこちらからお願いしたい話です。レッドさんのパーティに入れてもらえないでしょうか?」

「ゴラオン達の方は? 強さを求めるならそっちの方が早くレベルが上がると思うけど」

「私は女ですよ? 男2人のパーティに入りたいとは思いません。それに、ダンジョン初心者が高難易度に挑むなんて、命を無駄に捨てるようなものじゃないですか」

「あー、ごめん。デリカシーが無かったね」

「ええ。反省してください」


 俺たちのパーティに入るとすぐに決めた。

 ちょっと失言したけど、その事で強く気分を害した様子もないし、俺と組むのは問題なさそう。いや、男とパーティを組みたくないというなら、俺はどうかって話だと思うんだけどね。君の方もじゅうぶんに失礼だと思うよ? 言わないけどさ。


 気になる事といえば、パーティを組むにあたってジョブ解放を強制的にやっちゃうので、そこを周囲に言われるかもしれないのが難点だ。

 レベルがまだ低いのは、促成栽培の如くそこそこ厳しい戦いに付き合わせてレベル上げすればいいか。誰だって最初は初心者なんだ、レベルは問題じゃない。





 イーリスを仲間に加えた事で、現状は前衛後衛がそれぞれ2人で同数、召喚モンスターも3体ずつで前衛後衛が同数。

 だったらできれば前衛を一人欲しいかな? 前衛の数は後衛よりも多くするのが基本だから。


 俺がそんな事を考えていると、桜花が俺の服をつまみ、自分の考えを口にした。


「マスター、それならメイドサーヴァントを1人、仲間に加えるのはどうでしょうか?」

「え?」

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