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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
竜召喚士と人造魔術師
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パーティ解散①

「なぁ、もう少し奥に行かないか? 正直、このままってのは良くねぇと思うんだ」



 ダンジョンから戻って、次の探索の話し合いを始めたところ。

 ゴラオンはそうやって口火を切った。


「安定した仕事ってのは確かに大事だが、それをこなすための力を付けるには無茶するしかねぇ。いや、ギリギリの安全を確保したうえで、ほんの少しだけ、経験値を得られる程度の所まで進みてぇんだ」

「いや、レベルだけ上げてもしょうがないからね。強くなるなら、経験値やレベルに寄らない部分も鍛えなきゃ」

「それでもさ、レベルを上げることには意味があるだろ」


 ゴラオンは強くなりたいと口にしつつ、その根っこは強い、戦い甲斐のある相手とやりあいたいだけに見える。

 いくら若い男だからと即物的な強さを求めているとは考えていないだろうし、たぶん違うと思う。ゴラオンは力押しをする我儘な暴力男ではなく、わりと理知的な筋肉男だ。

 強くなった実感がわくような経験をしたいって言うのは、全く理解できない感情じゃないんだけどね。


 なので、相手の意図を正しく理解していく為に、いくつか確認をする事にした。


「目的は強くなる事、レベルを上げる事、経験値を稼ぐ事。

 お金の問題じゃないんだよね? あと、ダンジョンに潜る頻度を上げたいって訳でもないよね?」

「おい、金の話なんて全くしなかっただろうが」

「いや、お仕事なんだからさ。お金の話は大事だよ。一番問題になりそうな部分なんだ」

「まぁ、いい。金の方は今のままでも構わねぇよ。衛兵見習いをやってた頃よりもずっと稼いでいるしさ。

 ダンジョンに潜る頻度も、今以上に増やしたら無理が出るだろうから止めといた方が無難だな。準備不足でダンジョンに潜るとか、ぞっとしない話だ」


 本当に経験値稼ぎ、強敵との戦いにしか目が行っていない。

 じゃあ、別に問題ないな。


「うん、それなら、まずはパーティを解散しようか」

「はぁ!? そんな話はしてないだろ!」

「いや、今のパーティってさ、経験値稼ぎの効率が悪いからね。一回パーティをバラすのは前から考えてた事なんだよ」



 システム的な問題で、俺達のパーティはあまり経験値効率が良くない。

 なぜならん、サモナー系のジョブ持ちが3人もいるからだ、


 『竜召喚士』『妖精召喚士』『獣使い』


 この3ジョブはキャラクターの他に召喚モンスターや使役獣といったオプションが付いてくる。そして総合レベルが高くなりやすい傾向にある。それは経験値の分散であり、レベルアップ効率の低下になってしまうのだ。

 その辺はゲームのルールブックにも「パーティメンバーが4人ならサモナー系2人、5~6人なら1人が適正です」と書かれているし。


「幸いにも、中層ぐらいの冒険者は増えているから。

 新しいメンバーを募るもよし。少人数で経験値を稼ぎやすくするのもよし。もっと高レベルのパーティに入れてもらうようにしてもいいね。

 選択肢はいっぱいあるよ」


 俺はそう言ってパーティメンバーの顔を見渡した。

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