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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
竜召喚士と人造魔術師
70/320

ダンジョン中層③

 命の危険を回避し、できるだけ楽に戦えるようにと考えていた俺。

 それが受け入れられないとなると、今後は一緒のパーティを組むのが難しくなる。


 ただ、この手の不満は真剣に取り上げる必要が無いと、俺は思っている。

 なぜなら、どんな状況下でも人は不満を感じるからだ。ちょっと意見が一つ食い違っただけで気の合わない奴と決めつけるのは短絡的過ぎるだろう。相手も本気で我慢ならない様な不満を抱えているのであれば、こちらにぶつけてくるだろうし。

 不満は無視しない程度に少し話をしてみて、本気で次に進みたいかを確認するぐらいの気持ちでいた方がいい。



 俺は3人の話を聞かなかった事にして、そのまま寝直した。






 翌朝。

 俺は桜花にMPを供給すると、今日の行動方針を伝えるために朝のミーティングで現状とノルマの確認をする。


「ホムンクルスの核は今のところ6個手に入っている。ノルマは10個だから、最低でもあと4個は欲しい。

 昨日の感覚で言えば、この辺りでホムンクルスと戦えるようだからここで核を稼いでいく」

「その後はどうするんだ? 核が集まったらすぐに戻るか?」

「時間帯次第と思ってるよ。早めに終わればもう少し先の戦いを経験しに行ってもいいけど、昼過ぎ、しばらく経っていれば戻った方がいい」


 仕事のノルマは、出来るだけ明確にする方がいい。目標がはっきりしていれば「あとこれだけだから」と我慢できるからだ。

 終わりの無いマラソンほど心を抉る物は無いのである。


 あと、ご褒美設定があればなお良し。

 ちょっとした御褒美であってもやる気を出させるには十分な効果を発揮する、事もある。

 俺の言葉にゴラオンは少しやる気を見せたが、キュロスはあまり変わらない。

 そして奥に進むのは男2人に対しては御褒美であるが、ミレニアにはご褒美として機能しないどころか罰ゲームになっているので、ちょっと嫌そうな顔をされた。さすがに足を引っ張るような子じゃないので、もし奥に進んだら何かフォローをした方がいいかな?


 強力なカリスマでもあれば俺の方針に従わせるって事も出来るんだけど、俺には無理だ。そんな強い意志は無い。

 このメンバーはそこそこ長く組んではいるが、基本は寄せ集めである。同じ目的のために集まった集団というより、同じ場所で同じ手段を選んだ人間の集まりだ。最終的な目標意識の差って言うのは解消できる事でもない。

 だから騙し騙しやっていく事になるだろう。



 ミーティングを終えたら朝ごはんを食べ、コンディションを確認し、野営の後片付けだ。

 それが終わってようやく探索になる。


 この日はそのまま数戦してノルマを達成したが、なかなか核が集まらなかったので先に進む事はなかった。

 それでも十分な数の素材が集まったため、収入は1人1500Gになった。


 俺としては大きな儲けだと思うし、このままでいたいんだけどな。

 いつまでも同じって訳にはいかないのか?

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