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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
竜召喚士と人造魔術師
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ダンジョン中層①

「あ、ギルマス。いってらっしゃーい」

「ギルマス、ノルマ忘れないでねー」


 桜花の相談の翌日。

 俺たちはいつものようにダンジョンへと向かう。


 その途中で顔を会わせたギルド職員が挨拶をしてくるが、彼らとも気安く、ずいぶん親しくなった。元からお飾りという名目だと言ってあるので、気負わない立場にいるのも関係しているだろうが。

 ついでに俺が普段からギルドマスターをギルマスと短縮していたので、彼ら彼女らも同じようにギルマスという言い方をする様になった。日本人的な言葉の短縮はこうやって異世界にも広まっていくんだろうね。





 久しぶりのダンジョンは、ちゃんとしたお仕事になっている。

 事前にノルマが課せられているので、それを果たすまでは戻れないといった形である。


 これまでは勝手にダンジョンに潜って自己判断で持ち帰る物を考える、その日暮らしの日雇いバイト未満の存在だった。

 それが大企業の社員(ただし下っ端)になれたのだから出世したものである。

 その分だけ責任なども増すが、収入とは仕事の難易度と責任に比例するものだ。手っ取り早く収入を増やしたければ、責任ある仕事をするしかないのである。なお難易度の高いお仕事は、この場合だと命を落とす危険なお仕事なのでやるだけ無駄である。



 ダンジョンに入ると、昔とは違い、必ず中層に繋がる次の扉がある部屋に出る。石造りの明かり窓すらない簡素な部屋で、見た目は地下通路と変わらないがそれとは違う部屋である。

 前はそのまま上層に放り込まれたのだが、ここで上層に行くか中層に行くかのワンクッション置くようになったのだ。


 俺達は中層に行く方の扉を開き、先へと進んだ。





 ダンジョン中層は、かなり広い庭園である。

 生け垣が壁の替わりになっており、それに沿って進むことになる。部屋の替わりにバラ園だとか噴水広場などが設置されていて、だいたいそういった場所ではモンスターと戦闘になるが、素材回収ができるようになっている。


 生け垣と言う事で破壊可能だとか飛び越えていけばいいと考える奴が出て来るが、それは完全な悪手である。

 自分たちがそれをやると同じことをモンスターもしてくるので、下手をすれば中層全域からモンスターが集まってくる事になり、普通に詰む。ほぼ間違いなく殺される。戦闘で生け垣が壊れるのは何故かOKなのに、それ以外の理由で生け垣を壊すのは駄目なのだ。

 恐らく、ダンジョンとしての機能を維持するために監視されているのだろう。このダンジョンを正規の方法でクリアするか、不法行為でもそれを成し遂げるだけの実力者だけを認める仕様になっていると思われる。


 あと、例の如くダンジョンはパラレルワールドがいくつも存在するようで、同じタイミングでダンジョンに入ろうが結局合流できるかどうかは運次第となる。狼煙などを試した連中も過去にはいたらしいが、成功した事例は驚くほど少ない。



 出て来るモンスターはホムンクルスやメイドサーヴァント、ストーンゴーレムがメインである。

 今回のノルマはホムンクルスの核なので桜花にとってはあまり良くない話ではあるが、数を集めないといけないしサクサク行こう。

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