表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
ギルド『北極星』
43/320

経験値稼ぎ

 さすがに2回目になるとゴブリン軍団の相手もやりやすくなる。

 1回目の反省点を実感しているためか、ステ―タスの成長以上に、自分の中の何かがかみ合っている。前回のままだったらもっと苦戦するよな、と思うと同時に、自分だけでなく皆が成長しているのも楽になった証拠だと、なんとなくそんなふうに感じた。



「ミューズ! ゴラオンに治癒薬!」

「はい!」


 昨日は最初の30体をさっさと片付けるために桜花とミューズのMPをすぐに使い切ったが、今回は無限湧きが前提なので、MPは後半戦まで温存だ。

 2人は投石による援護をメインに、たまに治癒薬で回復をする様にしている。


 目標は自分たちだけで100体討伐。

 昨日は70体かそこらしか倒せていなかっただろうから、キリ良く100体が目標なのだ。



「戦列を崩さないように、と」


 俺は目の前のゴブリンに槍を突き出し、牽制をする。ゴブリンに直撃しないものの、立ち止まらせることに成功する。

 そうすると後ろのゴブリンが自分の前にいるゴブリンをどかすために、腕を使って止まったゴブリンを横に押した。

 目の前には仲間内で押しあうゴブリン。足が止まった連中に俺は槍を突き刺す。


 うん、簡単だ。


 出来るだけ少ない動きで相手を嵌め殺す。

 隣で戦うゴラオンも相手が来るのを待って、できるだけ足を使わずに戦っている。

 雑魚は雑魚と言っても、動くと体力を使うし、数が多いっていうのはそれだけで厄介だからね。消耗は最低限に。これが基本。


 俺達はゲームのキャラのように、疲れ知らずで延々と戦っていられる訳では無いのだ。

 一番危険なのは集中力が切れる事だと思うが、その集中力を維持するのにも体力が必要だし、10分以上の戦闘は本当に厳しい。

 戦闘中は体に力が入るから、立っているだけでも疲れるんだよ、本当に。



「カウント70超えました! 殲滅戦、いきます!!」


 そうやって慎重に戦っていると、桜花の声が戦場に響く。

 俺はそれまでに10体はゴブリンを殺し、ゴラオンはその3倍以上の数を殺していただろう。そうなるとスピカ嬢は俺の倍くらいか?


 無限湧きのゴブリンはまだ50体はいるように見えたが、その中でも密集しているところに桜花とミューズ嬢の魔法が炸裂する。

 大火力による範囲攻撃は一撃で10体以上のゴブリンを挽肉に変え、ゴブリンの戦意を削ぐ。

 後ろからは増援が来るものの、いまだ健在な俺達に恐れをなしたゴブリンはできた空間に向けて逃亡を始める。あとは逃げようとするゴブリンの勢いに呑まれ、群れ全体が逃亡を開始するが。


「追撃、いきます!!」


 魔法の射程から易々と逃れられる訳でもなく、ゴブリンたちはその数を一気に減らす。


「ラスト、いきます!!」

「駄目押しだ、俺達も行くぞ!!」


 範囲魔法は消耗が大きいので、桜花たちでは3回が限界だった。



 それでも十分な戦果なのだが、せっかくだからとゴラオンがゴブリンを狩りに前へと出る。俺はそれに付き合わず、ティナを召喚して代理を頼んだが。


 逃げる最中が一番危ういというのはこの世界でも通用する。

 ゴラオンは最後の追撃だけで10体以上のゴブリンを殺し、ティナもそれと同じぐらいの戦果を挙げた。





 今回の戦いは前回よりも相当楽だったこともあり、経験値は戦闘に参加した全員が1点貰えただけだったが、2日連続で経験値が貰えただけでも十分な成果だ。


 問題と言うか残念だったのは、殺した数に対し持って帰れる戦利品が少ない事ぐらいだろう。

 TVゲームならアイテムボックスとかに放り込むだけでどれだけでも持ち帰れるんだろうけど、俺達の中には『荷運び』が居ないので、手に持って帰れる分が上限になってしまう。


 『荷運び』ジョブは、この世界ではとても貴重だ。『人形遣い』でもない限り新しく仲間にする事は難しいだろう。

 あの3人のコアは使いたくないし、どうにか『荷運び』ジョブ持ちを引き入れることができないかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ