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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
ギルド『北極星』
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反省会

「よーし、休憩がてら、反省会な」


 ガナードさんは思ったよりも回収できた矢に笑顔を見せると、俺達に向き直ってそう宣言した。

 ちなみにゴブリンたちが使っていた装備のうち、状態が良かった物は回収済みだ。


 休憩場所には最初にゴブリンたちが居た部屋を使い、扉を閉めて安全を確保してから座り込んでいる。

 輪になって座り、ガナードさんが議長になって話を進める。


「数を相手に、疲れただろ。

 ダンジョンではごくごく稀に無限(・・)湧きって事がある。フォローできる奴がいれば都合のいい経験値稼ぎだな。お前らは運が良かった。これでレベルも上がっただろう。

 まずは先にさっきの戦いの反省をして、それから成長の方向性を決めるといいぞ」


 ステータスを確認すると、俺と桜花、マリーは経験値2点を得ていた。

 3人組は3点で、ガナードさんも経験値1点が増えている。


 俺の成長の方向性は決まっているので反省会前に成長してもいいんだけど、ここはみんなに合わせる事にした。


 俺たちの顔を一通り見まわし、ガナードさんは話を進める。


「まずスピカ。お前は問題ない。そのまま頑張れ」

「はい!」


 年長のスピカ嬢は問題なかったようだ。

 正直、ゴラオンを挟んで反対側にいた彼女はあまり姿が見えなかった事もあり、俺にはよく分からない。

 褒められたようなものなので、スピカ嬢は嬉しそうである。


「ミューズ、桜花。回復は仲間の様子を見て自分の判断で動け。指示待ちになるな。それと、そこらに落ちてる石を投げるなりなんなり、出来る事がいくつもあったぞ。もっと必死になって考えろ」

「分かりました」

「は、い」


 桜花とミューズ嬢は後半の支援が薄い事を指摘された。

 MPが尽きたからと言ってサボっていいわけじゃないからな。ただ、俺もゲーム時代の指揮っていうか指示は出来ても、現実に即した判断をし切れていないってのが問題か。これは2人だけの問題じゃないな。

 桜花は神妙に、ミューズはやや不満気に頷いた。


「ゴラオン、お前がやられたのはお前だけのせいじゃない。あまり落ち込むなよ。

 ただ、次も倒れたくなかったらもう少し仲間にダメージを引き受けさせろ。お前だけに負担がかかるのは最終的に仲間により大きな迷惑をかける。どのタイミングでどんな負担をかけるのがベストか考えろ」

「うっす!」


 ゴラオンは自分で負担を抱えすぎって事か。

 俺もたまにフォローしていたけど、慣れていない事もあってちゃんとできたとは言い難いし。

 ゴラオンは気持ちの切り替えが早いのか、普通に受け答えしている。



「で、だ」


 ガナードさんが俺の方を見る。これまでとは打って変わって何か言い難そうにしている。


「レッド。お前は何をしたい? 何をしたかった?」


 はい?


「正直、俺はお前がどんな役割を果たそうとしているのかよく分からなかった。

 壁役になり、敵を阻むまではいい。敵を引きつけ、敵の攻撃を阻み、仲間が攻撃できる隙を作る。攻め時と思えば数を減らしに行くし、戦況が読めなかったり周囲への注意が散漫なのはいただけないが、指揮の真似事までやろうとする。

 オーバーワークだ。その所為で何もかもが中途半端になってる。


 壁が動くな。戦線が崩れる。

 攻め時を間違えるな。前に出れば囲まれるし、後ろに下がれば仲間に敵を押し付ける事になる。そもそもお前に火力はあるのか?

 指揮をするなら事前に仲間と打ち合わせをしろ。その場の判断だけで動くと場が混乱する。そもそも戦場の状態が把握できていなかっただろ。


 お前は何をやるのか、何を受け持つのかを考える事から始めないと話にならん。まず一つの役割をしっかりと果たし、その次に出来る事を増やせ。

 俺からはその方向性が決まるまでアドバイスはできない」


 思ったよりも辛辣な言葉を頂きましたよ? と言うか、なぜに俺だけ長文でお説教?



 いや、戦闘スタイルはもうちょっとレベルアップしてスキルを揃えないと定まらないだけですけどね。

 その為に必要な冒険スキルを選んだりとかリアルスキルとかを磨く段階でしてね。

 今からやらないと間に合わないってだけなんですよ。

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