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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
北極星の竜召喚士
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攻略法の検討

 ボス戦を撤退という形で無事に終え、俺やバラン達はどうやってボスを攻略しようかという話し合いを行う。

 これには情報共有の為に一軍と二軍の全員が集められる。



「――というのが、今回の戦いの流れだ。

 だれか訂正したい部分はあるか?

 無いな?

 では昼の休憩後まで、それぞれ有効と思える戦術を考えてくれ」


 とはいえ、いきなり意見を言えと言う事にはならない。

 一軍の意見だけやパッと思いついた意見だけを抽出するならそれでいいのだろうが、二軍も交えて意見交流をするなら、情報共有後の検討時間は必須である。

 二軍のメンバーは一軍の知り合いのところに合流して戦術論をかわし合う。


 俺のところにはいつものメンバーが勢ぞろいしたので、他の連中の邪魔にならないように別室へと移動する。



「数で勝る相手への対処だ。

 これまでの遭遇戦と違い、相手の戦力が揃ったところから戦いが始まるのが違う点だな」

「速攻による殲滅が難しいと考えていいですの?」

「ああ。通常なら先制攻撃の大技も通るけど、相手の陣容がしっかりしている以上、妨害に遭って潰しきれないことになる」

「それは難しいですのー」


 最初に意見を求めたのはララである。

 彼女は桜花による先手必勝パターンがどこまで有効かと確認をしてきたが、ぶっちゃけ難しいとしか言えないと俺は返す。


「前線と後方との連携を潰すために、煙幕弾を多用するのはどうですか? 奥に投げ込むのは難しくないと思います!」


 イーリスは敵が整然とした陣容で構えている事が気に入らなかったらしい。後方攪乱を進言してくる。


「いいね。こっちの視界が通らなくても、相手の視界が通らない方がより有効だ。対策に敵のリソースを潰せるかもしれないし、使うのを毒の煙とかにすれば――毒の煙玉も使えばかな? いい牽制になるかもしれない」


 言われた意見は正攻法ではなく忍者の様なかく乱戦術だけど、数で劣る戦いなら確かに有効な手立てである。視界を封じられる数で言えばこちらより相手の方が被害が大きくなる。

 ただ煙玉の他に毒の煙玉を混ぜた方がより有効なので、そのように提案した方が面白いだろうな。


「≪ウォール≫系の魔法は?」

「ディスペルされて終わりじゃないか?」


 魔法の壁を作る≪~~ウォール≫という魔法があり、桜花なら火属性の≪フレイムウォール≫という魔法が使える。

 しかし、魔法で作る壁だけあって魔法を打ち消(ディスペル)されれば一瞬で終わる。魔法の打ち合いでは数の多い相手の方が有利だし、あまり意味は無いだろう。


「≪グングニル≫もこんなんじゃ使えないか~」


 同様に、魔法系の大技も封じられたと見ていい。

 スキルを交えた通常攻撃による殲滅の方がより有効なのだ。

 相手の魔法使いを牽制するためにも魔法攻撃は行った方がいいけど、それをメインにするにはやや足りないものがある。

 具体的にはこちらの手数だが。





 全員がいろんな意見を出し、後の会議で似た様な事を考えてきた連中らと互いの考えた攻略法をより高いレベルにまとまるように検討し、次のボス戦に向けて編成を調整する。

 ≪エアカーテン≫を使った毒煙の封じ込めは出来るのかなど、実際に試してみようという意見なども多く出た。

 俺も効果は無くてもハッタリに使えそうな物とか、変わり種をいくつか考案しておく。



 中には別方向の意見、前回俺たちが逃げだしたことで相手が逃亡対策を打ってくるんじゃないかという意見なども出て、考える事が増えた分だけ会議は長丁場に及んだ。

 全てに対して万全に備えが出来る訳でもないが、それでも出来る限りの準備を行い、俺たちは再びボス戦へと挑むのだった。

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