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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
北極星の竜召喚士
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5層のボス(前)

 5層のボス戦を経験しようという話になった。

 少し無理をしてでもボスまで進み、一当てして逃げようということだ。


 道中の負担だが、俺だけはMP管理の問題で抑え気味にするように注意された。最悪は俺とティナが全力離脱しろ、そうすれば生き返る目が出てくると強く言い含められた。

 その時は≪アイテムボックス≫持ちが死体を運ぶ手順である。

 『荷運び』が死体運びとして参加必須というのは一昔の冒険者としてはよくある流れだったらしい。ジョブ一つの縛りは凶悪なぐらい難易度が高いので、それもしょうがない。命大事に、は「生きて帰る」ではなく「生き返る」ことを前提にしないといけないほどキツいのだ。





 そんなやり取りをしてから二日。

 バランパーティは目的地にたどり着いていた。


 ここがボスのいるところと決まったわけではないが、それでも一つの区切りになる。

 と言うより、ここが違うと攻略不可能になるのでは、そんなことすら考えてしまう状態だ。リソースはボス戦と帰りを考えるとギリギリかやや足りないか。それぐらい厳しいのだから。

 ダメだったらここからボスを探すという流れになるだろうが、今回はそれも厳しい。みんなの気力が持たない。


 俺達は山歩きで疲れた体に鞭を打つ事の無いように、余力が残っていることを確認してから山腹の神殿に足を踏み入れた。





 神殿と言われて俺が最初に思い出すのはギリシャのパルテノン神殿である。某星座のファンタジーでペガサスなアニメの世代なのでこれの印象が一番強いのだ。

 他に思い付くものも神殿ではなく教会という体たらくで、イメージがわかない。俺はゲーム系のオタクで神話関係にはそれなりに強い方だとは思っていたが、神様の名前や幻獣魔獣には強くても建造物にはわりと弱い。

 一般的なオタクでも、そんなもんだよな?


 誰に対する言い訳かも分からないが、そんなことを考えながら神殿内を進む。

 天井は5mと高いが、ギガースが暴れられるほどではない。

 特に部屋の壁などはなく、円柱状の、細工が彫られた柱の間をみんなで進む。俺の配置はもちろん逃げやすい後方である。桜花わ他の人と並んで、周囲を警戒する。


 そうして先に進むと、周囲が開けた場所から岩肌に変わってきた。神殿は山の中まで続いているようだ。光が射し込まなくなるので、より注意を強める。



「よく来たな、新しき冒険者達よ」


 山のなかに入ってから五分ほど歩いたところで。

 祭壇らしき広間に足を踏み入れると、俺たちに声がかかった。

 俺達は足を止め、その場で武器を構える。


 祭壇、1mほど高く作られたそこにいたのは、威厳も何も無い、ただの人間に見えた。

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