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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
人形王の魔手
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効率と非効率

 ジャニスから相川関係の話で、怪しい人物についての情報が届いた。


「ローブを纏った老人、ねぇ?」

「いつから一緒にいるのかは分かりませんでしたが、相当な実力者のようです。こちらの手の者は遠くから望遠鏡を使って監視していたのですが、その監視もバレてしまったようです」

「……大丈夫なのか、それ?」

「今のところ問題は起きていないようです。監視していたことはバレたようですが、誰が監視していたのかまでは分からないのでしょう」


 謎の老人。

 言われたところでピンとくる顔は無いし、どんな能力を持っているのかも不明。

 怪しい事は分かったが、それだけである。


 ジャニスは引き続き情報収集をするそうなので、続報を待つとしよう。

 俺はいざってときの実働部隊として働けばいい。





 5層の攻略だが、イーリスやミレニアたちのパーティも合流した。

 そこからイーリスとミレニアが一軍に入る事が決まった。ララや他の新人たちは二軍に留まっている。


 そのため、メンバーからイルとティティが外れ、俺達のメインメンバーは俺と桜花を残すのみとなってしまった。

 実力を考えての入れ替えだろうけど、役割が全く違うメンバーを入れられると連携を考え直さないといけないので、できれば同じ役割の人との交換に留めて欲しかったよ。


 バランは本気でダンジョン攻略を考えて大ナタを振るっているが、どこか焦りというか苛立っているというか、心に余裕が見えない。ジョンがいなくなったことで、どこか心のバランスを崩している印象である。

 長い間ライバルだったジョンの離脱はバランにとって面白くないとか、そういう軽い話ではなく、本気で悔しい大事件だったようだ。

 私情を押し殺して何か色々としているわけだけど、見ていて気分のいいものではないよね。長いこと一緒だった部下の人たちも何と言っていいか分からないようだけど。



 そうそう。

 どうせだからと、俺達のメンバーのみでの5層攻略も計画している。


 実力だけで考えたらバランたちと一緒の方がいいんだろうけど、効率だけで仲間意識を無視したようなやり方では息切れしてしまう。

 心情的に長く続く、心に余裕のあるやり方も必要だと思うんだよ。

 遠回りが最善の結果を生むこともあるのだ。


 桜花にイーリス、ミレニアも「これまで一緒にやってきた仲間と戦う方がいい」と、俺の意見に賛同している。他のみんなも同様である。

 二軍落ちしたララだけは「実力で一軍に上がるから構いませんのー」と言っていたが、二軍という言葉を突き付けられたことで面白くなかったのは間違いない。隠してはいたが、口元は嬉しそうにしていたよ。そしてその事をイーリスにからかわれていた。仲が良いよね、本当に。



 実力主義で効率主義の、バランパーティ。

 仲間との絆を重視した、非効率な俺のパーティ。


 こうなると、どっちが先に5層攻略をするかの勝負といったところである。

 俺とかはどっちにも参戦するわけだが、できれば自分たちのパーティで先に攻略したいな。

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