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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
人形王の魔手
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一般人用訓練

 ジャニスに連絡し、今回の流行病が相川経由ではないかという話を伝えておいた。

 ジャニスも今回の流行病に思う所があったらしく、相川の調査の方は快諾してもらえた。ジャニスも相川が怪しいと思っていたようで、動くかどうか悩んでいたようである。


 大地の都で日本人がやらかしているからね。そこから考えれば相川犯人説にはそこそこの説得力があるのだ。





 ある意味、俺も疑われかねない仮説を領主側に流したので、俺は俺でお仕事である。

 普段通りの仕事をこなす事こそ、人に疑われないコツである。単純に、行動を変える余裕が無いとも言う。



 この日は薬関係を作った後、一般人の戦闘訓練であった。

 ダンジョンに潜らなくても、レベル上げはできない訳では無い。特に最初の方は俺も戦闘訓練で経験値稼ぎをしたものである。

 まずは武器の使い方を教えないとダンジョンに連れて行く事も出来ないので、棒を持たせて槍の使い方を教えていく。


「槍の使い方は、こう!」


 腰の高さに構えた槍を真っ直ぐに突き出す。

 何気に素人ではこんな事すら難しい、武器の使い方の基礎。それを20人の若者に教える。他の連中もいるので、周辺には数百人の一般人がいた。


 見本を見せ、実際にやらせ、悪所を矯正し、繰り返して体に覚えさせる。基礎の突きができれば槍は何とかなる。

 たまにいる跳ねっかえりは物理的に制圧し、見せしめにする。見た目は12歳でもレベルは高い俺である。学習には痛みを伴う事を教えてあげた。



 彼らには突きの型を覚えて、号令に従いそれを繰り出すようにと指導する。

 少林寺系の映画にあるような光景、大勢が規律正しく動くようにと、鞭を片手に訓練を課す。何気に楽しい。

 ……楽しいと思わなきゃ、やっていられない。



 社畜はこうやって教育されていくんだよなぁ、と、自身を省みたくない事を考えながら、ひたすら同じことをさせる。

 同じ動きを繰り返すことで、体と脳みそに体の使い方を叩き込み、最適化させる。

 そうすることで一つ一つの行動が効率化され、体力の消耗が抑えられるようになり、素早く、力強く攻撃できるようになる。


 考える余裕を与えずに、正確に槍を振る機械へと教え子たちを作り替える。それが出来るようになったら実践というか実戦訓練だ。

 この日は何度も休憩を挟みつつ、素振りを500回ほどさせて解散した。

 彼らの明日はきっと筋肉痛である。一部の年配の方は、明後日辺りが筋肉痛だろうけど。



 そして俺は訓練中に回復したMPを使って、帰ったらまたお薬を作らなきゃいけない。

 ……泣いていいかな?

 たまにはお休みが欲しい。切実にそう思うよ。

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