表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
人形王の魔手
279/320

相川への疑念

 レベルの底上げをされた人は大丈夫。

 ただ、レベル上げできない、まだしていない人はかなり厳しい状況になった。


 とは言え、俺に出来る事はたかが知れている。

 出来る事をチマチマと。

 病気用ポーションなどを作るだけである。





「マスター。おかしいと思いませんか?」

「何がだ?」

「流行病の件です。冬のこの時期でも、同時に2種類の流行病というのは滅多にない事のはずです。それに、どちらも感染力が強く広まる速度が尋常ではありません。

 何か、この流行病に人為的なものを感じています」


 錬金術で治癒の薬を作っている最中、桜花が俺に話しかけてきた。


 話題はグランフィストを襲った流行病の件について。

 桜花はこの流行病が人為的なものと考えているようだ。



 これまでは忙しさにかまけてそんな事は何も考えていなかったが、言われてみたので考えてみる。


 複数の流行病が流行るというのは、この時代では珍しい。

 なぜなら、流通が限られているからだ。

 流行病は、病原菌を持ち込むルートが無いと入ってこない。つまり、複数の流行病が流行ったのであれば複数箇所から病原菌が持ち込まれたと考えていい。

 そうでなければ「同じように複数の流行病に侵されたどこか」から入り込んだか。


 しかしグランフィスト以外で同じ状況になった場所は、今のところは無い。

 ついでに言えば、王都でも少し病気が流行っているらしいが、その症状はただの風邪である。グランフィストの物とは違う。

 俺は行商ルートに詳しいわけではないが、それでも特に感染経路になりそうな王都が違うのであれば、たぶん他のどこかから持ち込まれたとしてもこんな事にならないと思う。



 だとすると、この病原菌を誰が、どうやって持ち込んだのか?

 いつ、持ち込まれたのか?





 一つだけ、心当たりがある。

 相川だ。

 奴がグランフィストに来たタイミングから少し遅れて病気が流行った。


 相川は、怪しい。

 奴が病原菌を持ち込んだと言われても、全く違和感が無い。



 ヤマト村の連中は、基本的に冒険者である。低レベルな奴でも6に満たない奴はほぼいないはずだ。この3年でレベル10ぐらいにはなっているだろう。

 つまり、奴らは病気にならない可能性が高い。

 フレンドリーファイアは気にしなくてもいい状況である。


 しかも相川やヤマト村の連中は、グランフィストに良い思いを抱いていない。

 一時期はマシになっていたはずが、何故か逆戻りしているし。



 俺の中で相川への疑いが少し濃くなった。


 一回調べてみるか?

 いや、ジャニス辺りに調べさせるか。


 ヤマト村に俺が行くのは、なんとなく危険のような気がする。

 直接関わるのだけはやめておこう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ