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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
人形王の魔手
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次の波

 実力主義って聞こえは良いけど、弱者扱いされた連中へのフォローがどれだけあるかも大事だと思う。

 と、いうわけで。2軍落ちした仲間が戻ってくるためのプロセスもちゃんと用意した。


 定期的な、実力査定である。


 1月に1度、仲間の成長度合いを見てメンバー入れ替えを検討しようというのだ。



 もちろん、2軍のメンバーも5層を探索しないとレベルが上がらないような者ばかりだ。

 なので2軍は2軍で3パーティを作って、彼らだけで5層を攻略することになる。


 幸いにも2軍の人間は数が多いからチームを組んだとしても、戦闘バランスは悪くない。ちょっと数が多いため、そこからさらに3軍を作る事を検討できるほどだ。交代要員を考慮すればそのままでいいと思うけど。

 そうやって切磋琢磨して、実力に磨きをかけて欲しいと思う。

 今は1軍だからと言って油断はできない訳だな。適度な緊張感があっていいと思う。





 俺の仕事の状態は、結構忙しい。


 一介の冒険者としてダンジョン攻略。連携確認やレベル上げを含む。

 日本人として流行病に対する対策の指揮。手洗いやうがいなどの予防の講師の仕事だ。

 ギルドマスターとして他の組織との連携確認。――元はジョンの仕事である。

 錬金術師として病気用ポーションの作成。正しくは、『薬剤師』など他の錬金術師が作るはずだった『治癒の薬』の作成だが。

 他にも一般人のレベル上げの手伝いもしている。冒険者ギルド関係者がメインで、ジョブ解放もしていたりするわけだが。


 これだけ仕事があるとお休みはほぼ潰れてしまうため、ゆっくりする暇が無い。

 ブラック企業も真っ青の――真っ青? いや、ブラック企業ならこんなもんか。むしろまだマシな方?

 ガチなブラック企業は“残業時間が”月に300時間もあると聞いた気がする。ちなみに一般の就労時間は月に176時間で、超過勤務は80時間で過労認定となる。


 この件についてはあまり考えないようにしておこう。

 たぶん、涙が止まらなくなる。



 とにかく忙しい俺は、何をするにも余裕が足りない。

 領主側に内緒で『神官』や『荷運び』、『錬金術師』を確保するなど、悪い事もやって少しでも余裕を作ろうとしているが、「死にそうな仕事量」から「睡眠時間を大幅に削るような仕事量」になっただけで、まだデスマーチを解決できるほどではない。


 ただ、春先になれば販売用の病気用ポーションは必要なくなるし、対外交渉はテミスの件も片が付くのでそろそろ他の人に任せられそうである。

 だからあと少し頑張ればデスマーチも終わる。

 そう、思っていた。



「大将! 悪い知らせだ! 今の流行病とは違う、別の流行病がっ!!」


 なのに、俺のデスマーチは終わりが見えなくなった。

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