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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
ダンジョン5層攻略
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ホブリン戦・終幕

 俺と他3人ほどで、ジョンがボスを殺すまでの壁を務める事になった。


 敵は8体ほどいる、ホブリンジェネラルとかホブリンガードといった名前を持っていそうな連中。

 生意気にも魔法の付与された金属鎧を装備している。


 ……強奪対象だよね、絶対に。あんまり傷を付けずに倒したいな。



 さて、やるべき事はただの時間稼ぎで十分である。よってレヴィアはそのまま召喚を維持。体が大きいので火力不足ということもないし頑張ってもらおう。

 本人も続投になってやる気十分だ。嬉しそうな気配がする。

 この子たち、やっぱり召喚される時間が長ければ長いほど喜ぶんだよね。


 戦力比は数だけ見ると5:8で敵方優勢だけど、質の方はこっちの方が絶対に高い。総合的に見れば有利と言いきれる。

 問題は他から集まってくる事だけど、レヴィアが作った道の先を見ればバランや他の連中が雑魚ホブリンを蹂躙しているのが見えるので来ることは無さそうだ。油断さえしなければ大丈夫だろう。



「≪ライドガードフォース≫!」


 俺はレヴィアに騎乗し、彼女に攻撃が届かないようにしている。

 レヴィアの固さを考えて無視しても問題ない攻撃は素通しするけど、敵がスキルを使ったかなと思った時はちゃんと防ぐ。無駄にダメージを増やす気は無い。

 要所要所でのガードがあるため、レヴィアはとても楽しそうに爪を振り下ろし、尻尾で薙ぎ払いをする。

 そのたびに敵は吹き飛ぶなどして傷を負い、倒れていく。


 相性の問題というか、前に4層のボスと戦った時の逆再現である。今度はこっちがボス役という訳だ。

 体格差というのは簡単に覆せない要素であり、防御メインの敵にはデカくて強いレヴィアを攻略する手段が無いのである。憐れ。


 他のメンツも危な気なく戦い、敵の数を徐々に削っていく。

 ときには増援が来てしまう事もあるが、敵が数を減らす方が早い。ついでにこちらにも増援は来る。

 うん、この戦いは負けないね。最初にけっこう気負ってしまったけど、実際にやってみると緊張感が薄れる。遠くから流れ矢が飛んでこようが、魔法を使われようが。今の俺にとって脅威となる程ではない。

 きっとダンジョン序盤なので難易度も相応に低いのだろう。今までだってそうだったし、今回も「5層の中では」弱い連中と当たったようだ。

 ま、仲間が強いってのもあるけどね。



 そのまま雑魚の相手をしていると、ジョンの方がボスを倒してくれたようだ。

 断末魔の叫び声が響き、それを聞いたホブリンが戦意を失い逃げ出した。


 遠距離攻撃が出来る者はその背に矢を射かけたりして見事討ち取り、キルマークを増やしていた。

 近距離専門の者は俺を含めて追う事はせず、消耗を抑える方を優先した。とりあえず戦利品を確保し、お金稼ぎをしておく。


 あ、この鎧は良い物だな。俺のよりも質が高いや。重いから要らないけど、高く売れそうだ。

 こっちの剣は駄目だな。硬い物でも切ったのか、耐久力がごっそり減ってる。

 回復アイテムも……これ、『精霊の酒』じゃね? 本物か? ……本物だな。戦利品だけど、買えないかな?





 最後にちょっと驚きの戦利品もあったが、入り口付近でだろうが稀にはそういう事もある。

 収入は完全にランダムなのだ。

 運良く相手をした群れの補給物資に貴重品が混じっていた。そういう話である。



 この日に得た『精霊の酒』は入札形式で売ったら、他のクランに20万ゴールドで売れた。

 売りたくなかったけど、15万とケチったことが足を引っ張り、赤字覚悟の他のクランに勝てなかったのだ。

 相場では3万ゴールドなんだけどね、5倍では駄目だったよ。



 こうして5層の初戦闘が終わり、俺達は想定よりも多くの収入を得た。

 今回は総力戦だったので楽勝だったが、今後は連戦を見越してスキルの使用を控えた状態で多数を相手取る練習もすると決め、次に備える事になった。


 ただ、俺達が本格的に攻略を開始するのは、もっと先の話になる。

 その前に、片付けるべき重大な案件が発生したのだ。

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