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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
ダンジョン5層攻略
261/320

5層用の装備

 金があっても買う物が無い。

 本当に欲しい物があれば、自分で作るのが『七鍵世界TRPG』である。

 俺は自前のスキルを使い、新しい『本』を作ろうと思う。



 宝石の如き鱗は売ったが、皮や翼膜はそれなりの量を確保しておいた。

 というか、これらは売れなかった。


 肉については「貴重な肉を食ってみたい」という猛者がそれなり以上に居た為に高額で売れた。普段は食用可能な肉が手に入らないはずのダンジョンであったため、俺は食べようとも思わなかったのだが、『料理人』が食用可能とお墨付きを出したことで売れに売れた。

 2トントラック級のドラゴンからは1トン近い食用肉が手に入る。一食をステーキなどにした場合は、少なければ150グラムで十分であり、一般的な大男でも500グラムほど与えておけば、普通は文句などでない。仮に一食平均を250グラムと仮定すると、4000食分が確保できたといっていい。

 こちらでは肉が貴重というかレア食材なので、それだけで40万ゴールドになった。

 そこから逆算すると、1食100ゴールド、しかも未加工の食材の段階でこれである。最初に泊まった宿での食費が2ゴールドであったことを考えると、原価が松坂牛よりも高かったりする。なかなか無茶な値段設定であった。



 皮に話を戻すと、皮はあまり使い道が無かったというのが大きい。

 ドラゴンの皮というと優れた素材のように聞こえるし、実際に、俺のジョブ『魔本製作者』からしてみれば有用な素材なのだが、他のジョブではあまり使われない。

 そして一般的な革加工職人は未知で高価な素材には及び腰になる事が多かった。この辺りは資本力の問題である。


 作った物が売れそうにない以上、彼らは皮を買う勇気を持てなかったのである。買ったのは、買ってくれたのは冒険者ギルド内の職人ぐらいである。彼らは自分の装備用に必要な分だけ持っていったのであった。

 人気は無かったが、このドラゴンの皮は、ちゃんと革に加工して保管しておこう。色々と使い道はありそうだ。



 凄くどうでもいいけど、骨は完売である。

 農業系の連中が畑の肥料に使いたがったのと、鍛冶師連中が金属への付与効果の為に競り合ったため、欠片も残らず売れてしまった。





 今回は竜革を使って俺用に≪消費MP軽減≫≪強化召喚≫≪MP代行≫の本を用意した。

 前二つはいいとして、メインは最後の≪MP代行≫である。これは他のスキルと併用できなくなるが、チャージしておいたMPの分だけ消費を肩代わりしてくれる装備である。とても使い勝手が良い。

 ジョブのレベルが上がっているため、桜花にも≪MP代行≫や≪消費MP軽減≫効果の本を渡しておく。


 あとは金属鎧を着る騎士メンバー用に竜革のインナースーツを作ってもらった。鎧の下に着るアレである。

 残念ながら通気性が悪く熱がこもり易いという欠点があったが、耐衝撃性能ではかなり高い性能をもつ。これは俺たちの生存能力を大幅に高めてくれるだろう。


 あとはアイアスよろしく、楯に貼っておくことにした。

 アイアスは7枚の革を張り付けた楯だったらしいが、俺達の物は竜革を1枚だけである。それ以上必要かと聞かれると、首を横に振る事になるからだ。何気に竜革は重いのである。





 5層に向けての準備はそうやって着実に整えていった。


 だから。



 俺達は、ジョンやバランのパーティと共に、5層へと足を踏み入れた。

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