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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
ダンジョン5層攻略
256/320

ティナ→ピナ

 空中で、高速飛行するドラゴン同士がぶつかった。

 大惨事案件ではあるが、狙ってやった事なので問題は無い。ティナのHPが8割ほど削れていたので、そちらの方は大問題と思うけど。


 敵ボスはそのまま落下するが、ティナの方は送還済み。ダメージを受けたことで発生するクールタイムの都合でしばらく召喚できないが、帰りまでにはそれも終わるので問題ない。もっとも、MPの都合で召喚できないだろうからどの道変わらないだろうが。



 そして俺はと言うと、ティナがぶつかった時点で空中に放り出されている。ティナは地上から空中の敵ボスにあたりに行ったので、そのまま更に上に飛ぶ。

 構えてはいたものの、凄まじいスピードと衝撃だったため、俺の体は独楽(こま)のようにクルクルと回りながら飛んでいる。腕を広げたり振ったりして回転を弱めるようにと、必死に体を動かす。


 何とか姿勢を制御して敵ボスを視界に収められるようになると、相手も落下の衝撃から立ち直り、地上に落ちないように翼をはためかせようという所だった。


「素直に落ちていればいいものを。≪神竜召喚≫ピナ」


 結構距離はあるが、一応は俺の攻撃圏内。ブレス担当のドラゴン、ピナを召喚する。


「ピナ、≪暴風の咆哮(ストームブレス)≫を最大出力で」


 ピナは名前をテュポーンから取ったという事で、風竜から嵐竜に、そこから嵐天竜へとジョブチェンジしている。

 ブレスの方は威力特化で消費も相応に多い。MPを大目に伸ばしているが、それでも最大出力の連続使用は難しい。そういった、一撃に(ジャイアント)賭ける(キリング)ビルドで育てている。


 「そう言えば」程度に思った事だが、ピナって名前はテュポーン経由と言うよりもプロセルピナ(ペルセポネー)の方から取ったって言ってもいい気がするんだよね。



 ピナの名の由来は横に置き、≪暴風の咆哮≫は刃となってボスの体をくまなく斬り裂いた。

 ≪暴風の咆哮≫は風属性の攻撃であるが、風属性に対し高い攻撃力を有する。TCGで言うなら「飛行ユニットを即死させる」類の攻撃で、飛行中の翠玉宝竜であれば翼を斬り裂かれたことによる落下ダメージの発生だ。


 地上までは200mぐらいあっただろうか。

 ボスは風魔法でそのまま落下する事だけは何とか回避し、背中からであったが不時着に成功する。

 それよりも高い所にいた俺はピナに乗って遅れて地上に戻るのだった。





 空中戦から地上戦に切り替わったが、戦闘はかなり面倒な状況だった。


 と言うのも、うちのパーティで前線を支えるティティとイル(騎士)の2人がボスの攻撃を受け止めきれないのだ。

 ボスにしては小柄であるが、それでも数トンはあるのだから爪や尻尾による攻撃はとても重い。レベルが多少上がったところで防げるようになるものではない。受け流すのも難しく、スキルを使ってようやくといったところだ。

 その結果ボスの足を止める事が出来ず、自由に動き回られてしまう。騎士が壁として機能しない。


 そして火力不足である。

 まともな火力は桜花とミレニアの妖精の魔法のみで、弓を使うシャンドラの攻撃はスキルを上乗せしようと弾かれて終わりなのだ。そして騎士に火力を期待してはいけない。

 これは≪エアカーテン≫の上位に当たる≪オーロラバリア≫という魔法による物理防御で、物理遠距離攻撃はほぼこれでキャンセルされる。

 魔法のリソースを守りに使わせていると言ってもいいのだが、決定打が足りないのも確かである。相手のHPが高いため、桜花や妖精のMPだって足りなくなる。墜落ダメージをキャンセルされたのが響いている。近距離物理攻撃ならまだダメージも通っただろうが……。



 こうなるとマリーを召喚して怪獣大決戦と洒落込みたいが、俺のMPだって結構きつい。

 ティナとピナに無理をさせた分だけMPの消費は激しく、騎士のスキル使用もあってリソースはカツカツなのだ。マリーを召喚しても長くはもたない可能性が高い。


 残る手段は何になる?

 短期決戦なら防御担当のレヴィアは論外。カウンターもできる子だけど、相手の火力はそこそこ程度だし。

 そうなると残る手札は魔法担当のヤタとなる。


 ここはひとつ、魔法に活路を見い出そう。

 その為の下地はあるんだから。

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