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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
復讐者の権利
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門の外で待機

「衛兵からの情報は部外秘である。よってレッドの参加を認めるわけにはいかんな。

 ただ、勝手に行動を起こす分には止める手立てはない。それでやるかやらぬかは自身の心に聞くといい」


 エンデュミオン氏に大臣捜索の手伝いを申し出てみたが、けんもほろろにお断りされた。

 まぁ、信用も何も無い俺が参加して何の意味があるのかと思われているのだろう。


 俺も≪情報収集≫の冒険スキルを所持しているが、レベルはたったの1である。素人ではないが、アマチュアという事だ。INTの能力値が高いのでそこらのプロと同じレベルの仕事ができると自負しているが。



 衛兵と連携して大臣を探せないので効率が悪くなるけど、それでもやらないという選択肢は無い。

 仮定であるが生き延びた大臣が俺にちょっかいをかけてくる可能性は否定できないし、その時に後手に回ろうものなら今度は致命的な被害が出るかもしれない。

 この手の危険は、確実に摘んでおきたい。


 なお、衛兵は大臣の屋敷に大穴を開けた一撃、その犯人も捜しているようだ。

 あれは俺がこっそりと持ち込んだものだけど、ばれない様に色々と手を尽くしていたので、俺まで辿り着く事はないはずだ。地球並みの科学捜査でもない限り不可能のハズ。念のために高レベル『獣使い』による臭い探知も対策済みだし、あそこから足が付く可能性は無いだろう。





 大臣の逃走経路だが、これは普通に地上を使っているはずだ。


 王都には地下水路があり、そこを下水道として使っているが、人が移動できるようには作られていない。ゲームの様に人が通るための道を設置していないのだ。

 よってもしも下水道を移動したければ汚物の中を泳ぐ必要があり、それはどう考えても無理がある。俺なら精神的に耐えられないし、そもそもプールのようにきれいな水の中を泳ぐのと同じに考える事は出来ない。ベテランのスイマーでも死ねるだろうね。



 衛兵たちは聞き込み調査をしているので、目撃情報があればすぐに見つかるはずだ。あの轟音だ、周囲にはやじ馬がたくさんいたので聞く相手には困らないだろう。きっと誰かが見ている。


 そう言いたいけど、写真や動画が無いこの世界じゃ大臣の顔を知っている奴の方が少ないし、変装されてしまえば簡単に野次馬の中に紛れ込めただろう。多く集まった人と言うのは、逆に大臣を隠していたはずだ。

 正直なところ、目撃証言を探すのは骨の折れる作業である。

 それよりも臭い探知の方がずっと効率が良い。

 彼らが聞き込み調査をしているのは、大臣の周囲にいるであろう護衛の規模や他に大臣の屋敷から逃げ出した奴がいないかという確認が主な仕事である。



 そんなわけで、大臣は衛兵にテイムされた犬系モンスター達によって昨晩から追跡されている。

 見付かるのは時間の問題だ。


 そして俺はグランフィストに近い方の門の外で待機する。

 大臣が追われているなら門から出ていくと思うし、俺に何かしようとするならグランフィスト側から出てくるはず。

 衛兵が何らかの理由で大臣を追いきれなければ、門番が買収などされていた場合は、ここで網を張っておくのがベターだと考えたのだ。


 もしも他の門から出ていった場合は?

 その時はその時である。一個人でしかない俺に出来る事は一つだけ。選択肢は多くあるから、その中で最も俺にとって危険な展開を潰す事に専念するべきだ。

 俺は何でもかんでも解決できる万能キャラではないのである。



 待機するのは今日一日。明日になったらエンデュミオン氏に結末を聞くとしよう。

 解決していなかったとしてもあんまり長い間、グランフィストを離れている訳にも行かないし。それで撤収だな。その場合はグランフィストで迎撃準備を進める方がいいだろう。

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