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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
復讐者の権利
242/320

待ちも仕込み

 それにしても、と思う。


 ゲームの時はこのレベルになると、大体が世界を救う系のクエストやキャンペーンをやっていた。

 低レベルでも世界を救う系のシナリオはあったけど、高レベルだとほぼ固定と思っていい。


 つまり、本来であればレベル20を超えたあたりでやるべき事っていうのは、超高難易度ダンジョンを攻略して世界を救えって話なんだよね。

 それがなんでこそ泥の真似事や人攫いをしているんだろうね?

 世の中は不思議に満ちている。



 そうやって高レベルな俺をこの手の仕事にブッ込めば、大体はレベル、能力値の高さでどうにでもなる。

 攻略対象は大臣の屋敷ではあるが、これまでは、ほんの2年前まではレベル10が最高値だった世界ではセキュリティのレベルもたかが知れている。少なくとも、本格的に冒険スキルを嗜んでいる連中にしてみれば何も無いのと変わらない。ダンジョンの方がよっぽど手強いのだ。


 問題は、と言うと。

 相手も高レベルを突っ込んでいる防衛ヵ所ぐらいしかない。

 具体的には大臣の私室や仕事上の重要書類などを扱う執務室の二ヵ所。


 そしてたぶんここで後ろ暗い事をやっているのだろうという、地下室。

 ……どんだけ鉄板ネタを仕込んでくれるのだろうかと、心の底から本人にツッコミたい。


 今回は本人を直接狙う気は無いし王国にダメージを与えたいわけでもないから、地下室を狙うつもりである。無理そうなら執務室を焼き払うが。





 当たり前だが、敵の高レベルと言ったところで俺よりは弱い。ただ厄介だという程度、レベル15ぐらいが上限となる。

 しかし数が揃うと厄介だ。3人ぐらいまでなら殺し合いならまず負けない。6人だと結構厳しく、それ以上は場外戦術を使わないと厳しいどころか殺されかねない。

 俺と比べれば低レベルだからと、敵を侮る気は無い。


 だから相手の戦力をできるだけ分散させるために、誘拐をしたのだ。


 お嬢様お二人への護衛は格が落ちる者しか用意できなかった事を考えれば、本当に重要な戦力を動かしてくれる保証はないけど。それでも周囲の捜索やらなんやらで人手を割かれるだろう。屋敷の守りは薄くなる。

 もしかしたら俺が把握しきれていない戦力を隠し持っているかもしれないが、その時は撤退する予定。無理をして捕まったり殺されたりするのは馬鹿げている。





 行動方針はこれでいいとして、まずは1日、何もしないで様子見だ。

 変に敵を観察して尻尾を掴まれるわけにはいかないし、やると決めたら一気に動く。それでいい。



 そんなわけで。


「堅いなぁ、オイ!」

「そう言って、こっちの攻撃が全く通らないんですけど!?」

「それは知らん!!」


 今日一日はエンデュミオン氏と戦闘訓練である。

 レベルは俺の方が高く、ジョブの効果もあって相手の攻撃を防ぐまでは問題ない。

 しかしこちらの攻撃も通らず、千日手(状況変わらず)に近い様相を呈していた。


 俺の槍は防がれ、相手の剣を防いで。

 互いに決め手に欠けるので一回の戦闘が長々と続く。スタミナ勝負でミスを引き出した方が勝ちという、泥仕合であった。


 レベルが上がっても、俺単体の火力はこんなもの。

 火力を道具や仲間に頼る俺では、短期決戦は無理そうだとまずは理解しておこう。

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