正当なる権利の行使
刀を大量にゲット。
六道家の護衛のジョブ解放をしていったのだが、その中に『刀匠』になれた奴がいて、彼らの刀をメンテナンスするついでに弾蔵の刀も打ってもらったのだ。
そのついでに刀を作る手順を記録に残し、スキル無しでも作れるように鍛冶師たちに学んでもらう事にした。
実際に刀を打つ所を見て学んだため、半分ぐらいの工程はちゃんとできるようになった。
だが、それでも学びきれない所があり、最後の焼き入れの工程は水の温度がどうにもうまく調整できず、最後の最後でなまくらにしてしまう事が何度もあった。
鍛冶師たちはそれを面白いと笑っていたが、俺としては刀鍛冶の奥深さには恐れ入るばかりである。
ラノベにおけるチート鍛冶師のチート具合がどれほど凄まじいのかと、ちょっと感心してしまった。
弾蔵の刀は調達できたし予備もそれなりに持つことができたが、刀匠の価値がそれで無くなる訳ではない。
東方にはヤマト村から人が出る事になっており、護衛なども含めた100人が兵衛の爺さんや芙蓉姫と一緒に西国の六道家直轄領に向けて旅立っていった。
あとは彼らが約束の刀匠候補を5人ほど連れてきてくれることになっている。この候補生はヤマト村の連中に紛れ込むことになっているので六道家の商隊のような制約を受けないのだ。
正直なところ、戦争案件だと思う。
が、一応、六道家の増援でもあるこのヤマト村商隊、かなり強い。ぶっちゃけ俺とそこまでレベルの変わらない、レベル20前後の連中ばかりのため、下手な軍隊よりもよっぽど強いという化け物どもである。
こいつらのいる時に戦争だけはまず無いだろうな。
ヤマト村の主力級が8割がたいなくなったことで、俺の安全は確保された。
そうなると、今のうちにとやっておきたいことに手が伸びるのも仕方のない事だと思う。
俺は以前、王都の貴族が放った刺客に襲われた。
その時、俺は無事だったが、一緒にいたイルが大怪我をした。乙女の命とも言われる髪がボロボロになってしまった。
正直、俺はかなり怒っている。
復讐とか報復というのは、基本的に有意義である。
たまに勘違いした連中が「復讐とは無意味である」と言うが、それは世の中を理解していない、青臭い妄想論でしかない。
復讐や報復を怠ると周囲から甘く見られ、無駄な争いを強いられることが多い。
基本、これらは筋を通すと言う意味できっちりやっておくのがちゃんとした大人というものなのだ。
犯人は分かっているので、今のうちにぶっ飛ばしておこうと思う。
殺しはしないよ?
ただ、やり返すだけである。