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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
東方交易録
231/320

本命の交渉

 現状、選択肢はかなり増えている。

 俺の東方行きをメインで考えた場合、ヤマト村の連中をブラフに使えるからだ。

 俺が話を強行するためにヤマト村の連中を巻き込むことでジャニスへの牽制を行い、同時にヤマト村の連中が東方行きを決めてくれれば俺への依頼は達成される。


 問題は事が大きくなりすぎる事で、その分だけ領主から警戒される事だろうか。

 ギルド運営にまで問題が波及し、俺を暗殺しにかかる事も考えられる。ある意味、今のヤマト村の連中と同じところに落されかねない訳だ。



 しかし、実際はそこまで酷い事にならないだろうと予測している。

 楽観視しすぎと言われかねないが、グラン(・・・)フィストに(・・・・・)相応のメリットがあれば納得してくれると思うのだ。

 東方と王国にはちょっとだけデメリットがあるんだけどね。





 俺は仕込みの為に、姫様の所へと面会に来ている。


 今回は婚約者のイルも連れてきた。

 ついでにヤマト村から一人、上層部にいた奴も引っ張ってきた。


 イルの方は単純に虫除けだけど、グランフィストでどんな女の子が人気があって、どんな風に努力しているのかを教えてあげる為だ。こういった事は男の視点では分からない事が多いし、女同士でないと話せない内容も出てくるだろうからね。

 ヤマト村から人を引っ張ってきたのは、こいつらの興味を引く事に成功したからだ。やっぱりグランフィストの居心地の悪さに出ていきたいという奴もそれなりにいて、今回の話は渡りに船だったようだ。



 姫様に会いに来たとはいえ、実際に交渉をするのは別の人だ。

 姫様の相手はイルにお任せだ。


 俺達は姫様お付きの中で、こういった外交を担当する人との話し合いである。

 という訳で、現状の整理から。


「まず、ジャニスさんとの話し合いでは俺が東方に行く許可が下りませんでした。組織の長と言う事で、長距離の旅に出るリスクにリターンが見合わないのが原因です。

 そこでヤマト村、同じく日本出身である彼らに新しい商隊を組織してもらい、新しい交易ルートを構築するのが今回の目標となります」


 細かいことを言えば、俺は日本人を東方の西国に派遣する契約を結んでいるため、その達成が目標である。まぁ、言わないけど。

 ただ、何も話さないのは問題があるので、教えて構わない事だけは教えておく。


「俺の目的は東方から定期的に刀を入手するルートを作る事。東方からの人材受け入れをする事。

 逆に六道(りくどう)家の方の目的はジョブ解放になります。

 ヤマト村に示せる利益は東方の物資の安定入手ルートへの繋ぎ、コネとなります」


 まずは利益のおさらい。そして達成目標の確認である。


「デメリットは私やヤマト村は王国に睨まれる事。

 六道家は中央から危険視される事となります。

 どちらも妨害をしてくると考えられます」


 そして目標達成のための障害の確認。


「協力し合うための内容として、私からは六道家がヤマト村の組織する商隊に対し、西国で商売を行う事への許可を与える事が一つ。

 ヤマト村は六道家の家臣にジョブ解放をする事が提案できる条件であると認識しています。

 この場合、利益に対する私の協力が著しく少ない事を問題視されると思いますので、私からは六道家の方たちに戦力強化のお手伝いをしたいと思います」


 あとは行動目標の設定。

 リスクとリターンを確認したら、あとはそのバランス調整を行う訳だが。俺の出来る事が少なかったのでこういう提案をしてみる事にした。


 さぁ、彼らはどう出るかな?

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